媒体の時代は終わった!2023年はこの採用手法で応募数アップを!


コロナ渦で冷え込みを見せた採用市場も、2021年下半期頃より少しずつ求人が戻り始め、2022年に入ると、落ち着きを取り戻しつつありました。

社会がコロナ渦に適応し、事業が再開し始めると、各企業では人手不足が問題となり、従来の採用方法だけでは、人が集まりにくい企業では、新たな採用手法の導入を検討する必要が出てきました。

これまでも、多種多様な採用手法が生まれていますが、今回は、2023年度の採用動向や注目されている採用手法について、ご紹介いたします。

2023年採用市場の見通し

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2023年採用市場の動向について、見ていきます。

・前年より採用数の増加傾向

リクルートワークス研究所では、大学生、大学院生を対象とした2023年卒新卒者の採用の見通しの調査を行い、民間企業約4500社より回答を得ています。

調査結果によりますと、前年と比べて、2023年卒の新卒採用数を増加する、と回答した企業は10.9%、減少すると回答した企業の3.9%で、増加すると回答した企業が7%上回りました。

従業員規模が大きい企業の方が、採用人数を増やす傾向が強く、従業員数5,000人以上の企業は、増加するという回答が21.4%という結果が出ています。

202212月時点の新卒内定率

就職みらい研究所では、定期的に大学生を対象とした就職活動状況について調査を行い、結果を発表しています。

2022年12月1日の大学生の就職内定率は94%で、前年同月時点よりやや低いものの、ほぼ同じような確率となっています。ただし、2022年の4月~6月頃までの就職率は、前年同月と比較し、5%~10%ほど高い水準となっており、早い段階で内定が出ている傾向が見られました。

・内定の早期化と内定辞退率

上記でお話しした通り、2022年度の春ごろの就職率と、前年の2021年同時期頃を比較すると、企業の内定が早期化している傾向が見られます。

また、同じく就職みらい研究所の調査では、2022年12月時点で2社以上の内定取得をしている学生の割合は、2023年卒が64.1%、2022年卒が62.3%とやや増加しています。

ですが、同時に内定辞退率も2023年卒が36.7%、2022年卒が32.9%となっており、学生が内定取得しやすい分、内定辞退率も増加していることが伺えるでしょう。

採用難が続いている理由

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人手不足が続く中、採用が難しくなっている理由については、主に下記の2つが挙げられます。

・少子高齢化による労働力不足

少子高齢化による労働力不足問題は、以前から言われており、定年の上限引き上げや働き方改革、助成金の支給などで対応しています。

ただし、少子高齢化問題は現状続いており、対策をとってもすぐに効果が出てくる訳ではありません。

求人が求職者を上回る売り手市場はしばらく続くと考えられ、特に慢性的な人手不足と専門的な知識を要するIT関連業種や建設業、人の流動が激しい飲食店や観光などのサービス業は、より採用に力をいれる必要があるでしょう。

・オンライン化による内定辞退や選考辞退の増加

2023年卒では、早い段階で内定が出ている点、内定取得数の増加と内定辞退率の増加傾向が見られました。

内定の早期化と内定取得数の増加は、企業側からすると早い段階での学生の獲得が目的で、内定取得数の増加は、学生が将来への不安から、多くの企業をエントリーした結果だと考えられるでしょう。

もう一つ、内定取得数が増加した傾向としては、採用活動のオンライン化です。今までは、就職説明会や面接などは、会場へ直接足を運ぶ必要があったため、時間と費用が掛かっていました。

採用活動がオンライン化されたことにより、オンラインがつながる場所であれば、移動時間や場所に捕らわれることなく、活動を行うことが可能です。

そのため、これまで移動に使っていた時間や費用を、就職活動に使えるようになったため、より多くの企業へエントリーが可能になりました。その結果、就職活動の範囲が広がり、学生一人が内定する数は増加に繋がったといえるでしょう。

一方入社出来る企業は1社であるため、多くの内定を取得しても、その他の企業は内定辞退せざるを得なくなり、内定辞退率の増加にも結び付いています。

従来の採用方法

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採用方法は、これまでにもさまざまな方法が生まれ、時代と共に変化して来ました。基本的には、求人を出し、求人を見た求職者が応募し、選考の上内定者が決まるという方法が多く取られていました。

現在も、下記でご紹介する方法は、多くの企業で取られています。

・求人サイト

リクルートやマイナビ、dodaなどの求人メディアが運営する求人サイトに、募集職種や希望する人物像、勤務地や給与などの条件を入力し、求職者に求人情報を紹介します。

職種を問わず、求職者情報を載せている総合サイトと、エンジニアや転職サイトなど、特定の職種や条件に特化したサイトもあります。

サイトによっては、専属のエージェントが付き、求職者と企業を結び付けるサポートや、非公開求人などの紹介も行っています。

・就職説明会

複数の企業が、大きな会場を使い求職者を集め、企業ごとにブースで区切り、来場した求職者へ会社の概要や募集要項などを説明し、求職者に自社をアピールする方法です。

就職説明会は、職を探す人が多く集まるため、熱意の高い人が多く、採用担当者と求職者が直接対面して話が出来るメリットがあります。また、マッチする思われる人材と直接面接日の日程調整などが行えるため、スムーズな選考につながるケースもあります。

一方、場所や人員の確保、来場者へ配布する説明書やパンフレットなど、工数と費用が掛かるデメリットがあります。

・ハローワーク

労災保険と雇用保険に加入している企業、および求職者が無料で利用できる方法です。求職者は、求職情報を見て、希望する企業にハローワークを通じ、申し込みを行います。企業は専用の用紙を用いて必要事項を掲載します。

無料で利用できるため、多くの企業が利用しており、掲載内容を詳しくすることや、詳細を記入するなど、他社と差別化して利用する必要があるでしょう。

ハローワークの職員は、求職者に対し、掲載した企業の案内を行っていますが、求職者の選別を行っているわけではないので、希望する人材以外の方が応募してくる可能性もあります。

・自社HPを使用する

自社HPに採用情報を掲載し、求人募集をする方法です。費用が掛からないこと、自社の事業内容やサービスを閲覧した人が、応募している可能性が高いと言えるでしょう。

ただし、大手企業や人気企業でない限り、自社HPの認知度が高い企業は少ないため、他の方法とも併用し、まず認知度を上げる事、HPの内容を定期的に更新し、常に最新情報にしておく必要があります。

今後の採用活動で求められること

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採用競争が続く中、会社発展のために、優秀な人材の獲得は重要な課題です。従来の採用方法は、求職者が応募してくるのを“待つ”方法でした。

では、今後の採用活動で求められることを見ていきましょう。

・採用業務の効率化

これまでの、採用方法は、退職や新規事業などで、人が必要になると、募集を掛けて求職者を集めて母集団を形成し、その中から採用者を決定するのが一般的でした。売り手市場が続く採用市場では、スピードや効率化が求められます。そのため、多少希望と違う点があっても、内定を出さざるを得ないケースもあったでしょう。

企業理念や会社風土の理解に相違があるなど、ミスマッチの人を採用してしまうと、業務の停滞や、トラブルなどが起こり、早期退職へとつながってしまう恐れがあります。

採用活動が激化する中、より人員や工数を掛けることなく、自社にマッチする人材を獲得し、長期的に会社に貢献してもらうためには、選考の段階で的確に判断しなければなりません。

限られた期間と人員で、採用活動を効率的に行うには、候補者の情報管理のIT化、AIを用いたデータ分析によるマッチ率の向上などが必要です。自社でこうした対策を取ることが難しければ、採用支援サポートを行っている企業を利用し、他社との差別化を図る必要があります。

▼おすすめの採用業務効率改善サービス

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・企業のビジョンと課題の明確化

自社にマッチする人材を見つけるには、まず、自社事業展開や課題をハッキリさせる必要があります。

就職みらい研究所による調査では、2023年卒の大学生が内定を決め手となった理由として最も多く上げていたのは、「自らの成長が期待できる」です。

入社後に成長したいと考える新入社員は、目標や課題がハッキリしている企業の中で、将来像や自分が入社した際の姿が想像しやすく、会社と共に成長したいという、熱意のある人材が集まりやすいと言えるでしょう。

応募の段階で、自社のビジョンや課題、求める人物像が明確に記載されていれば、マッチしない閲覧者が応募する確率は少ないと考えられます。

2023年注目されている採用方法

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採用方法が多様化する中で、2023年に注目を集める採用方法をまとめました。

・ダイレクトリクルーティング

企業から、求める人材へスカウトする方法です。ダイレクトリクルーティングを行うには、運営しているサイトへ登録し、条件の合う登録者へスカウトメールを送り、スカウトします。

この方法のメリットは、転職の意思が低い登録者や自社を知らない登録者へ、自社のアプローチが出来る点です。

ダイレクトリクルーティングは、さまざまな会社がサービスを提供しています。主な機能としては、AIを使い、過去のデータを分析し、企業と人材のマッチ度アップ機能、採用後の情報管理の一元化機能、スカウトメールの自動作成などのサポート機能などが挙げられるでしょう。

優秀な候補者は、多くのスカウトメールを受け取っている可能性が高いため、定期的にコンタクトを取り続けることや、独自のアプローチが必要になってきます。

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・リファラル採用

従業員がリクルーターとなり、前職の同期や知人などを自社へ紹介し、採用へ導くのがリファラル採用です。

紹介する人物の人柄や能力を知っている従業員が、企業理念や職場環境、求める人物像などを熟知する自社を紹介するので、ミスマッチが少ない方法と言えるでしょう。

広告費用や採用工数などを掛けることなく、マッチする人材を採用へ導けるので、効率的な方法と言えます。

ただし、不採用時や入社後の配置などでは、紹介者と採用者の双方に十分配慮する必要があります。

・ミートアップ採用

テーマを決め、交流会や勉強会などを開き、相互理解を深めながら、参加者を採用へ導く方法です。

カジュアルな雰囲気の中、企業と参加者と交流を行い、テーマ内容や会社に興味を持つ参加者と企業担当者が交流を行い、マッチする参加者を採用へ導きます。

オンラインもしくは対面で会を開き、参加者と企業の採用担当者が直接向き合うことで、転職潜在層や認知度の低い参会者に、自社の魅力を伝えていきます。

交流会を行うことで、宣伝にもなりますが、会場の設置や説明会資料の作成など、ある程度の工数が発生します。

SNS採用

TwitterやFacebookなどのSNSを活用し、自社ついて発信したり、募集案内を行ったりして、採用へとつなげていく方法です。

SNSは、本人と採用担当者がやり取り出来るため、転職潜在層や自社を知らない人に、直接アプローチが可能です。

まとめ

今回は、2023年最新の採用方法について、ご紹介してきました。

採用競争が激しくなる中、採用活動は、効率化や未来のビジョンや課題の明確化が必要になってきます。

そのため、採用活動は、求人広告を出し、求職者に応募してもらう“待ち”の姿勢から、直接求める人材を獲得しにいく方法へと変化を遂げています。

採用方法で、悩む企業は、ぜひ参考にしてみて下さい。