ダイレクトリクルーティングで何が変わった?メリット・デメリット、成功事例や採用のポイントをご紹介

採用の方法は、学校の就職課を活用、就職フェア、職業安定所や人材紹介に登録、ヘッドハンティング、会社活用、知人の紹介などありますが、ダイレクトリクルーティングという手法が話題です。ダイレクトリクルーティング採用とは何か?取り入れた後の変化点、事例を紹介します。


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ダイレクトリクルーティングとは?

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簡単に言うと、企業が欲しい人材を自ら探す手法のことです。

少子高齢化が進んで人材の売り手市場が続いている近年では、より良い人材は良い就職先を複数選べます。
良い人材がどうしたら自社に入社して活躍してもらえるかが重要になります。従来のように採用試験や面接するところまでは「企業側=買い手」に主導権はありますが、「買い手」が欲しいと思った瞬間に「売り手」主導に変わります。

「売り手=候補者」が自社を選んでもらうのを待つのではなく、ダイレクトリクルーティングとは「候補者=ほしい人材=売り手」を企業が自ら探すことです。

ダイレクトリクルーティングは、ヘッドハンティングに似ています。
しかし昔からある手法のヘッドハンティングは、企業や候補者が登録しマッチングする方法や、競合他社から引き抜く手法ですが、ここでお話しするダイレクトリクルーティングはさらにグレードアップしています。

ほかのビジネスは、「売り手を探すこと=新規開拓」ですからごく当たり前に行われています。しかしなぜ人材だけ新規開拓が難しいのでしょうか?

それはやはり「仕事を選ぶということ=人生を選ぶこと」につながっていて、簡単に選択できないということではないでしょうか?
しかし、近年は終身雇用制度や年功序列制度も崩れてきており、若者はもちろんですが40代〜50代の職業感も変化しています。
待ちの姿勢で会社が人材を選ぶのではなく、攻めの姿勢で会社がよい人材を選ぶこと、それがダイレクトリクルーティングです。

ダイレクトリクルーティングを活用しない場合

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少しの時間では候補者を判断できない

多数の候補者を書類で選考しますから、その時点で自社にとって良い人材を振り落としている可能性があります。

20分程度の集団面接で企業が聞きたいことだけを聞いて、候補者の良さを知る前に振り落としている可能性があります。

企業の良さをPRする時間が少ない

多数の候補者を選考するので、一人にかける時間が絶対的に少ないです。
大手企業であれば、面接前からある程度イメージもあるのでいいでしょう。
しかし非大手大手の知名度がない企業であれば、候補者が企業を知る機会もなく、いつまでも良い人材が集まることはありません。
企業の良さや将来性や考え方が浸透しませんので、入社後の離職者も増えるでしょう。

内定を出しても辞退者が多発する

多数の候補者を選定して、その限られた情報で内定者を出しても、内定者も選択します。
数か月後に入社する会社に対して情報が少ない上、企業側も内定者を細かくフォローすることができませんし、企業側もそのようなスキームになっていません。

内定者の意思を確認することはなく、良い候補者に入社してほしいので内定を出しても候補者はよくわからない企業に入社することはないでしょう。
例えば20人募集した場合は30〜40人の内定を出す必要があるでしょう。

ダイレクトリクルーティングを活用すると

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候補者の見極めがしっかりできる

採用面接は一期一会です。
良い履歴書を見て、面接対策した候補者を数回面接を重ねたところで、その人の適正や能力をしっかり把握することは不可能です。
とはいえ、多数の社員を採用しなければならない。
人事関係者は各部署から良い人材を取るようにプレッシャーを与えられていることでしょう。

ダイレクトリクルーティングを活用することで、候補者や内定者の細かいところ、面接では話さなかった、話せなかった話を聞くこともできます。
採用面接が無機質であってはいけません。
人事担当者にとっては、多数いる候補者の1人ですが、候補者にとっては人生の決断にもなることです。転職は不安になることも多いです。
長い時間をかけて会話をしていくわけですから、人事担当と候補者の間に信頼関係が出来上がります。入社前の見極めができます。

効率よく採用活動ができる

理想的な人材をピンポイントで取れるため、今までの採用方法とは違い効率がよいです。
また、採用対象者を限定でき集中的にアプローチできるため、求職者に対して自社の認知度を高めることができます。
認知度の高い企業はさらに自社のことを理解してもらえるチャンスです。
また認知度の低い、もしくはほとんどない企業であっても良い人材にアプローチできます。

企業と人材の齟齬を無くすことができる

求職者を選択しているため、能力の高い人材に対して、事業内容や、求職者に対してしてほしい業務、求めるスキルのすり合わせができます。
それはつまり入社後企業と社員の方向性の齟齬を少なくすることにつながります。
大勢の中から、選び出す作業は、直接理解してもらうために接触しているわけでないため、企業側の思いを求職者や、採用済み人材が十分に理解できているかは疑問です。
ダイレクトリクルーティングを活用すれば、入社後の齟齬を無くせます

採用後の費用対効果が見やすい

従来型の採用方法では、大勢の人材から採用者を選ぶため、その人材にかかる費用がわかりにくいです。ダイレクトリクルーティングは、ほしい人材をピンポイントで選べるため、人材の入社後の業務内容もある程度計算できます。
例えばどこの部署に所属してもらい、どのような仕事をしてもらうか、計算ができます。例えば、輸出入の業務をする部署に配属し、マネージャーとしてプロジェクトを任せたい。
となれば、そこで人件費や管理費も計算できます。
入社前の費用はもちろんのこと、入社後どの程度会社に貢献してもらえるのか?計画できます。

戦略的に最適人材確保

ダイレクトリクルーティングは、自社に興味があり応募してきてくれた人を採用する転職サイトへ登録済みだが自社への興味はない、現在転職意欲が低い人材も含め、アプローチをしていく手法です。
今は転職したくない人材も半年後1年後はわかりません。
そのような人材をダイレクトリクルーティングを通じて、候補者もしっかり見極めたうえで入社してもらえますので、長期的な視点で考えるとかなり戦略的です。

新卒の離職者が減る

多数募集するナビサイトへの掲載や、SNS、就職イベントなどを頻繁に開かなくてもよいため、費用と工数を削減できます。
効率的に集めることに繋がります。
50人、100人と多数募集し、3年後に残っているのは何人でしょうか?第2新卒という言葉が定着していて、新卒者の就職に対する考え方はひと昔前とはずいぶん違います。
3年くらいで社会人の基本スキルを学び、その後ステップアップのために転職する人も増えています。
100人採用しても3年後に残っているのは半分もいれば多い方ではないでしょうか?ダイレクトリクルーティングを活用することで、企業は育成方法や将来像を一人一人に説明し、企業の考え方を理解してもらえます。
多数募集することで入社後に社員を絞り込むことはできても、採用に関わるコスト、工数は人事担当だけでも膨大になりますし、辞めてしまっては今まで育て上げた「企業の知」がゼロになってしまいます。
例えば製造部でノウハウをベテラン社員が教えても辞めてしまっては何も意味がありません。
ダイレクトリクルーティングをすることで、入社前から入社後のイメージが湧き、新入社員の離職を最低限にすることが可能です。
一人ひとり「入社前と入社後のイメージと違う」となりません。
もちろん人事担当者の寄り添った説明が大事なのは言うまでもありません。

人事担当のスキルが上がる

ダイレクトリクルーティングを活用している企業の人事担当は多数社員を募集する一般的な採用活動とは違い、候補者に寄り添うため、コミュニケーション能力が高まります。
また、直近の転職者の思考や志向も把握できる上、企業に対する不満や不安も聞く機会もありますので、こういう人材は自社に好ましくない、このような人材が自社には必要であると人事担当者が明確になります。

ダイレクトリクルーティング活用例

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「3年後海外市場に参入したい」というビジョンを経営陣が掲げたとします。
しかし社内には海外に明るい社員がいない。
ダイレクトリクルーティングを活用すれば、海外人材を焦って採用する必要はなく、「3年後に海外市場に参入」というアクションプランを作成し、「1年以内に同業者で海外マーケティングに明るい経験者」を採用することを目標に動き始めます。
プロジェクトについて、社内でできることを着々と進めていけばいいのです。

① 今から〜1年で海外向けの商品を作る
② 1〜2年で海外で売るためのカタログやパンフレットを作る
③ 1〜2年かけてマーケティング・販売先開拓をする。
④ 3年後に売上が上がり始める。

①と②は現状の人材で対応。
③ができる人材をダイレクトリクルーティングで採用しておけば、商品開発が終了した後スムーズに、販路や、販売代理店を探すことに注力できるので、戦略的に且つ計画的にプロジェクトを遂行できます。
ダイレクトリクルーティングを行わない場合は、社内で海外に詳しくないメンバーでプロジェクトを立ち上げることもあるでしょう。
海外での参入方法がわからず、多額のコンサルティング費用を支払うこともあります。また、従来通りの採用方法で海外人材を募集しても業界が違う、エリアが違うなど思い通りの人材が取れるかどうかわかりません。
結果大した成果もあげることができず、プロジェクトが失敗することがあります。
ダイレクトリクルーティングで時間をかけて探すことは手間と工数がかかり、そこにかかった時間もコストになりますが、「計画を立てたが、絵に描いた餅で、自社では無理だった、無謀だった」ということが起きないでしょう。

まとめ

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ダイレクトリクルーティングを活用すると様々なメリットがあることはお分かりになったと思います。
もちろん人事担当の工数が増えるなどのデメリットもありますが、良い人材に定着して、将来の幹部候補になってほしいと考えるのは、経営陣としては当然です。
従来型の採用方法では、振り分け方式ですので、10年後、20年後に残っている社員が何人いるでしょうか?もしかしたら一人もいないということになるかもしれません。

100年企業を目指している企業なら企業として一番大事なことは社員を育てること、人が会社を運営していることを知っています。
終身雇用制度も有名無実化している中、転職者は馬鹿ではありません。

会社のために仕事をしている社員が何人いるでしょうか?
自分のために仕事をしている人が大多数でしょう。
自分のために仕事をしたいと思っている人が企業を見比べないわけがありません。
魅力ある企業である、働きたくなる企業になるためには、時間はかかりますが、候補者としっかり寄り添い、入社後の祖語もなく、経営陣の考え方やビジョンを理解してそこに向かって仕事をしたい。
そんな人材を採用することが、短期での離職者を少なくし企業の拡大に繋がることを理解しましょう。

ダイレクトリクルーティングは今後の働き方、働くことについての考え方が変わってきている時代にピッタリで今後の採用の主流になると思います。結局簡単にやめてしまっては、企業には何も残りません。

企業に利益を残す前に辞めてしまうような採用方法は一度見直してみてはいかがでしょう。
ダイレクトリクルーティングを活用することで、真の筋肉質の企業ができ、競争力もアップし、利益が増え、最終的には社員の幸せにつながると思います。
「工数がかかる」「採用できる人数が少ない」という考えは一度置いて、ダイレクトリクルーティングを活用してみてください。
きっと活力ある企業に変わっていきます!


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