内定辞退を改善する戦略的な内定者フォローのポイント


内定辞退は、採用活動のやり直しや、研修や教育のスケジュールの見直しが必要となる場合があり、頭を悩ませている担当者も少なくありません。

採用活動は、候補者集めから内定者決定までに重点を置かれがちですが、内定後のフォローも大切な工程の一つです。

今回は、内定辞退が起こる理由や、内定辞退を改善するための、戦略的な内定者フォローの方法についてご紹介致します。

内定辞退が起こる理由

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内定辞退が起こる理由を、新入社員と中途採用者に分けてみてみましょう。

新入社員

・第一希望の企業から内定が出た

就活生が複数の企業へ応募している事は、珍しくありません。
就活生は、多くの企業の中から優先順位を定め、就職活動を行っています。

就職みらい研究所の就職プロセス調査(2024年卒)2023年12月1日時点内定状況を基に見てみましょう。

内定取得企業数の平均は、2022年が2.35社、2023年2.45社、2024年2.46社となっており、2社以上の企業から内定が出居ている割合は、3年連続で6割を超える結果となっています。

つまり、複数の企業から内定を取得している学生が多く、内定辞退が起こる事はある程度は想定内と言えます。

特に優秀な学生ほど複数の企業から内定を受けやすく、後から第一希望の企業より内定が出れば、他の企業は辞退という結果になります。

・社内環境や企業理念に不安を感じた

就職活動の早期化が続いており、就活生は卒業年度の前年度の夏ごろから動き出さなければなりません。

そのため、就活生が企業リサーチを不十分に行えないまま就活を行い、内定を得ているケースもあるでしょう。

説明会やインターンシップに出席後、採用サイトの口コミ等を見たりして、社内環境や企業理念が自分に合わないと感じると、辞退となる場合があります。

・希望している条件と合わないと感じた

就活生は、さまざまな条件の中から自分に合う条件に優先順位を決め、採用活動を行っていきます。
ですが、採用活動を行い、多くの企業を見て行くうちに、希望する条件が変わっていく事もあります。

勤務地より職種を優先したが、内定先の勤務地が遠すぎて断念した、転勤がない職種を希望したが、転勤ありという事を内定後に知ったなど、希望している条件が内定後に変化してしまったり、後から希望条件と違う事が分かったりした場合に、内定辞退へ繋がってしまうケースが考えらえます。

中途採用者

続いて中途採用者について見て行きます。

・待遇面や福利厚生面などの条件が合わないと感じた

新卒採用と同様、何らかの理由で転職活動を行うため、複数の企業へ応募する事はあるでしょう。

企業理念や業務内容などを優先的に決めたが、待遇面や福利厚生なども、生活をしていく上では、大切な項目です。

特に中途採用の場合、新卒時と違い今後結婚や住居購入など、ライフイベントがより身近に感じ、転職活動を行っている事があります。
そのため待遇面や福利厚生面が、内定後に気になり、内定辞退へ繋がってしまう事があります。

・内定後の対応が悪かった

内定者と関わりを持つのは、採用担当者だけではありません。
電話応対や受付、現場担当者など、多くの人が内定者と関わりを持つ可能性があります。

電話を掛けた際、電話に出た社員の対応が冷たかった、社内見学した時の現場担当者の対応が良くなかった、といった感想をはじめ、担当者の回答が遅い、折り返しの連絡が来ないなど、社内全体の対応が良くないと、内定が出た後でも、不信感を感じ内定を辞退してしまう事があります。

・他社からの内定が出た

次いで、多いのが、志望度の高い企業から内定が出た、より条件のマッチする企業から内定が出た場合に内定辞退となるケースです。

優秀な人材は、他社からスカウトを受けたり、複数の企業から内定を取得したりしやすい傾向があります。

・現職から退職を止められた

中途採用者の場合、現職に勤めながら、転職活動を行っている事も少なくありません。
転職活動を行うには、ライフステージの変化、現職への不満など様々な理由があるでしょう。

結婚や出産などライフイベントにより、現職で働くのが難しく転職活動がうまく行き、内定が出た旨を上司に相談したら、リモートワークや時短など柔軟な働き方を提案された、パワハラで悩み転職先が決まった事を伝えたら、別の部署へ異動出来たなど、現職の企業から退職を引き留められ、引き続き勤務できるよう対応してくれた場合など、内定辞退となるケースもあります。

内定者フォローの目的

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ここで改めて内定者フォローの目的を見て行きましょう。

・内定辞退を防ぐ

内定者フォロー最大の目的は、内定辞退を防ぐためです。懇親会や研修会などを行い、企業理解を深めて貰い、応募時の興味と意欲を保ったまま、他社へ興味が移ることなく、入社してもらう事を目的としています。

・スムーズに職場に馴染めるため

誰でも新しい環境は、期待と不安が同席するものです。特に新入社員の場合は、初めて社会に出るわけですから、この傾向が強いでしょう。

特に人間関係に対し、不安を感じる人は少なくありません。そこで懇親会や座談会を開き、同じ悩みを抱える同期や人事担当者や現場担当者、比較的入社年度が近い先輩社員と接点を持ち、スムーズに社内の環境に馴染めるようにします。

早期離職を防ぐため

内定者フォローは、内定辞退を防ぐ目的もありますが、早期離職を防ぐ目的も含まれています。

新入社員が3年以内に離職してしまう早期離職率は、約3割と言われています。
早期離職理由として、キャリアアップやライフイベントなどもありますが、入社前とのギャップを感じて、転職を考える社員もケースも多くなっています。

就活の早期化が進むあまり、就活生が不安や不満を感じつつ何となく内定を決めてしまった、就職や転職を焦るあまり何となく、内定を承諾してしまったというケースもあるでしょう。

内定者フォローを行う事で、企業への理解度を深め、不安や不満を抱えたまま入社し、結果早期離職という結果にならないよう、フォローなどを行います。

内定後フォローの種類

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内定後のフォローの種類についてご紹介致します。

・懇親会を開く

退職理由の原因の上位に人間関係はよく挙げられます。先輩や上司となる社員たちとも交流も良いですが、同じ不安を抱える同期となる内定者同士の交流は心強いでしょう。

内定者交流会や懇親感を開き、悩みや不安を共有し合える場を設ける目的で行われます。

・研修会や勉強会を行う

内定者の中には、入社後自分が業務に付いていかれるか、ビジネスマナーはどうやって身に着ければ良いのかといった悩みに加え、漠然と入社までに何をやればいいのか分からなくて不安だという声も聞かれます。

こうした不安を解消し業務への意欲を高めるためや、入社後にスムーズに業務に馴染めるよう、業務や業種に関する勉強会やビジネスマナー講習など、研修会や勉強会を行います。

・社内見学を行う

人間関係と同様、自分が今後どのような環境で業務を行うのか気になる人も多いでしょう。
オフィスワークなら、ディスク回りや休憩場所など、仕事場の様子が快適かどうかも大切な情報の一つです。

オンラインもしくは直接内定者に社内の環境を公開し、社内の様子を確認してもらう事も大切なフォローといえます。

・人事担当者と面談を行う

内定者が、まず接点を持つのは、人事担当者ではないでしょうか。
入社後も、手続きや教育などで、人事担当者と直接連絡を取り合う場面は少なくありません。

入社前や入社後も、一人一人時間を取り、人事担当者と面談を行い、不安や不満を解消していくことが大切です。

・メールなどを使い、定期的連絡を取る

直接対面するだけではなく、メールやラインなども有効な手段です。
定期的に企業情報を入れる、今後の日程連絡をする、状況確認や不安に感じている事が無いか、内定者の気持ちに寄り添ったメールを送るなど、新しい情報で与え、内定者の不安を取り除くようなメッセージを定期的に入れることで、内定者と信頼関係が増え、内定辞退を防ぐことへと繋がります。

内定辞退を防ぐためのポイント

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続いて内定辞退を防ぐためのポイントを見てきましょう。

・インターンシップ等を利用する

25年卒よりインターンシップと称する事が出来る内容が変更になっており、実施期間や実施時期などに一定の制限はありますが、条件を満たす場合、インターンシップの参加者情報を採用活動に利用する事が出来ます。

新卒採用では、こうした制度を利用し、参加者の能力や性格を見て、適性のある人材を採用へと繋げます。

・候補者集めの方法を見なおす

就活生や転職希望者は、採用サイトや求人サイト、エージェントなどを利用し、求人のある企業へ応募する事が多いと言われています。

内定辞退が多い、早期退職者が多い、候補者が思うように集まらない場合、マッチする人材が集まらないため、マッチ度の低い人材が内定となり、のちに内定辞退や早期退職へ繋がっている可能性があります。

そのような場合は、候補者集めをダイレクトリクルーティングやリファラル採用など、別の方法を取り入れてみしょう。

・募集要項の内容を正確に書く

候補者は、募集要項を基に自分の条件とマッチするかどうかを判断します。
求人サイトや求人広告の枠は限られていますが、限られた枠の中でも希望条件を正確に記入しましょう。

募集要項の内容を正確に記入することで、ミスマッチの人材からの応募を減らす事に繋がります。

・面接官や電話応対など全体の対応状況を確認する

内定辞退の中には、応募時や選考時の企業側の対応が悪く、辞退となってしまう場合があります。

面接官の対応が横柄で無かったか、担当者からの返信が遅くなっていないか、電話応対に問題がないか、内定辞退や早期退職が続く場合は確認が必要です。

内定辞退者に理由を聞いてみよ

6割以上の就活生が2社以上から内定を受けており、売り手市場の場においては、内定辞退は、一定数起こりうる問題捉えて置いた方がいいかもしれません。

その上で、内定辞退者に辞退理由について、差支えの無い範囲で聞いて見るのも一つの手です。

ただし、内定辞退者からハッキリとした理由は聞くことは難しいかもしれません。
他社で内定が出たのであれば、他社の魅力を感じた点や、自分が自社とどのような点が合わないと感じたのかなど、やんわりとした聞き方をするようにし、あくまでも参考として聞くようにしましょう。

まとめ

今回は、内定辞退が起こる理由は、改善するポイントについてご紹介してきました。
売り手市場において、内定辞退は一定数起こる可能性があります。

その上で、出来るだけ内定辞退を減らすために出来る事は、求人時正確な情報提供や職業体験などを行い、応募時や選考時にミスマッチを減らす事でしょう。

内定辞退に悩む企業は、この記事を読んで参考にしてみて下さい。