【人事必見!】内定承諾の決め手はどこにある? 内定承諾率をあげるために人事ができること


就活中、学生は複数の企業へエントリーし、同時進行で就職先を決めていきます。売り手市場が続く中、2社3社と内定を取得する学生も珍しくなく、企業にとっては、内定辞退につながりやすい要因となっています。

内定先が複数ある場合、学生が内定を承諾する決め手は何なのでしょうか。

今回は、学生が就職先の決め手となる理由、内定承諾率を上げるポイントについてご紹介致します。

就職の決め手となった項目10

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就職みらい研究所では、就職プロセス調査(2023年卒)「2022年12月1日時点 内定状況」の調査を行い、大学生の就職確定者が、もっとも就職先の決め手となった項目について、次のような結果を上げています。

 1位 自らが成長できる
 2位 希望する地域で働ける
 3位 会社、団体で働く人が自分に合っている
 4位 福利厚生や手当が充実している
 5位 企業や業界の安定性がある
 6位 ゼミや学校で学んだ事が活かせる
 7位 企業、団体の理念やビジョンに共感できる
 8位 年収が高い
 9位 会社や業界の成長性がある
 10位 教育や研修制度が充実している

上記の結果から、就活生たちは会社に入り、自分が成長したいという気持ちを持ちつつ、希望する地域で働く事や、人間関係、福利厚生や安定性や成長性なども、就職先を決める上で、重要視していることが伺えます。

同調査では、2021年から2023年までの結果を掲載しており、年度によって多少割合の変動はありつつ、上記の傾向が続いています。

内定辞退率と内定取得企業数

就職みらい研究所では「就職プロセス調査 2022年12月1日時点内定調査結果」を発表しています。その調査結果によりますと、内定辞退率は、2023年卒が64.6%となっており、内定平均企業数は2.45社で、6割以上が2社以上の内定を取得している結果となっていました。

また、マイナビでは、国内企業約2300社を対象に、2022卒者の内定状況と2023年卒採用の見通しについて調査を行い、2022年卒マイナビ企業新卒内定状況調査と題して、結果を発表しています。

その結果によりますと、8割近くの企業が、前年度より採用活動の印象は厳しかったと回答しており、その理由として、母集団の確保が第一位に上げられ、その次が来るのが内定辞退となっています。

内定辞退を、採用活動の厳しかった理由として上げた企業の割合は、前年度と比較して大きく上昇しており、特に上場企業では、5割以上の企業が上げる結果となっています。

2023年卒の採用状況

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2023年卒の採用市場がどのような状況について、見ていきましょう。

・採用計画の充足は約「4割」

リクルート社の研究機関である就職みらい研究所では、2023年の学生の就職活動と企業の採用活動の実態、2024年の見通しについて調査を行い、「就職白書2023」という報告書でまとめています。

その調査によりますと、新卒採用の採用計画で、予定していた採用人数を充足できた企業は約4割で、昨年度より約12ポイント減少という結果となりました。

採用数が満たなかった理由として、事業方針の変更などで、予定より採用人数を減らしたというケースもありますが、応募が来ない、選考辞退や内定辞退というように、活動の結果として人数が満たなかったと、いう割合が約半数でした。

・約5割の学生は内定後も就活を続けている

新卒の内定率は、大学4年の4月に4割弱だった割合が、内定解禁日である6月1日には、7割を超えます。ところが、同日時点で、5割弱の就活生がまだ就職活動中を続けています。

内定後も就活を続ける理由として、第一希望の会社へ就職したい、納得いくまで活動したい、幅広い企業へ応募し、自分に向いている仕事を見つけたいという事が上げられています。

就職活動の早期化が進んでいますが、早い段階で内定者を決定しても、企業としては、その後に内定辞退となる可能性があることを、十分踏まえておくことが必要です。

内定承諾率を上げるためのポイント

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売り手市場が続く中、一定の割合で内定辞退がある事は分かりましたが、事業を正常に継続していくためには、出来るだけ内定辞退を少なくし、内定承諾率を上げていく対策をしなければなりません。

それでは、内定承諾率を上げるためのポイントを見てきましょう。

採用活動全般でのポイント

採用活動全般からみた、内定承諾率を上げるための3つのポイントです。

・採用ブランディングを行う

自社ならではの強み、イメージを人々に認知してもらうのがブランディングです。他社との差別化を図り、自社ならではのイメージや強み、特徴を作っていきます。このブランディングを採用戦略に取り入れたのが、採用ブランディングです。

大企業や人気企業では、もともと知名度があるため、自然と候補者が集まってきます。ところが、日本企業の9割以上と言われている中小企業は、就活するまで応募企業の事を知らなかった、という学生も多いでしょう。

採用市場で結果を出すためには、認知度を上げ、自社ならではの特徴やイメージを出し、自社にマッチする人材に届くような、効果的な広報活動が必要です。

広報活動はやみくもに行っても、費用や手間が掛かる上、必要以上の人に情報が届いてしまうと、のちに選考に時間を取られてしまいかねません。

ターゲットとする人たちに自社を認知してもらい、興味をもってもらうためには、どのような方法で広報活動を行えばよいのか、自社の企業風土や今後の方向性などをハッキリさせ、求める人材へ、自社の情報が届くような計画を立てていく必要があります。

・就活生への連絡をスピーディに行う

採用活動中、候補者と企業は、何度か連絡を取り合う場面があります。例えばインターンシップや選考時の日程調整などの場面で、メールや電話で担当者と候補者が、連絡を取り合うといった場面が考えられるでしょう。

就活生は、同時に複数の企業に応募しています。そのため、連絡が遅いと他の企業の予定が先に入ってしまう事も想定できます。

また、連絡が遅い場面が何度か続くと、候補者が不信感を感じて、選考を辞退してしまう可能性も出てくるでしょう。

応募してきた候補者に対し、スピーディに対応できるよう、担当者の人数の確保や選考を進むターゲットなど、しっかりと固めておきましょう。

・候補者へのマナーを見直す

選考工程は、候補者と会社の相互理解を確かめる場所です。面接では、直接またはWEB上で、直接志望動機や働く意欲、人間性や社風、職場環境などをすり合わせて行きます。その中で、企業と候補者がマッチするかどうかを判断していきます。

採用活動を行っていく中、一定の割合で選考辞退や内定辞退は起こりうる事ですが、ここ最近、選考辞退や内定辞退者が増えた場合、何らかのマナー上で問題が無かったか振り返ってみる必要があるかもしれません。

また電話やメールを通じ、説明会や見学会の案内、面接の日程調整などで連絡を取り合う際にも、マナーを欠いた行動が無いかどうか確認が必要です。

上記で記載した、“連絡が遅い”事もマナーとしても良くないことですし、相手が学生だからといって、横柄な対応をしてしまうような事があれば、信頼関係を失いかねません。加えてそうした行動は、SNS機能が発達した現代では、就活生の間であっという間に広がってしまいます。

応募者が増えない、選考辞退や内定辞退が続く場合は、マナーについても再度見直しをしてみましょう。

採用プロセスごとのポイント

続いて、採用プロセスごとのポイントについて、ご紹介します。

・母集団形成時

どのような母集団を形成するのかが、採用工程のカギを握ると言っても過言ではありません。実際に2022年卒マイナビ企業新卒内定状況調査の中で、採用活動を難しくする理由の第一位に挙げられています。

自社に合わない方法で募集を行えば、応募者が来ない又は来すぎてしまう、応募者は来るがマッチする人材が来ないという状況になり、採用活動の長期化や、やり直しが必要な状況へと繋がってしまいます。

例えば複数の人数を同時に採用したいのであれば、広い範囲へ募集案内を出す必要がありますし、IT関連の専門的な知識や技術を持つ人材を採用したいのであれば、そうした学校や学部の学生を直接スカウトする方がスピーディでしょう。

事業内容や事業規模、勤務地が地方か都会かによっても、適した求人方法は変わってきます。優秀な人材を、工数を掛けることなく採用したいのであれば、費用は掛かりますが、求人サイトを利用し、専門のエージェントの手を借りるという方法もあります。

インターンシップに参加した学生の中から、優秀な人材に声を掛け、優先的に採用する方法を取っている企業もあるでしょう。

どのように候補者を集めるのか、自社の特徴や採用市場の状況を見つつ、母集団形成の方法を検討してきましょう。

・面接などの選考時

面接は、直接候補者対面を行う非常に重要な場面です。表情や質問に対する答え方など、書類選考では分からない人間性を判断するための大切な活動です。

面接では、会社が候補者を見ている反面、候補者も担当者を通じて、会社を判断しています。面接官の質問内容や態度など、候補者側も企業をも見ています。

面接官の質問内容に問題が無いか、就活ルールに反するような、差別的な発言やプライベイトに踏み込んだ質問をしてないか、時間が長すぎたり短すぎたりしていないか、確認しながら選考活動を行っていきましょう。

・内定承諾時

内定承諾の連絡は、出来るだけ早く行うのがポイントです。就活生は複数の企業へ応募しており、面接からあまり間が空いてしまうと、候補者の気持ちが他社へ移行する可能性があります。

内定承諾者が決まったら、すみやかに連絡をいれましょう。可能であれば、メールや郵送だけではなく、電話も合わせて行うと候補者に気持ちが伝わりやすくなります。

・内定承諾後~入社まで

就活ルールでは、内定解禁日は10月1日になっています。それ以前に内々定という形で、就活生に内定の連絡を企業も多いでしょう。

つまり、就活生は、早くて半年以上、長ければ1年近く内定から入社まで間が空くことになります。

その間、内定承諾をした学生に対して何もしないのではなく、研修会や勉強会を行う、内定者懇親会を行うなどで、内定者と定期的にコンタクトを取り続け、内定辞退を避けるようにしましょう。

まとめ

今回は、最新の内定状況を踏まえ、学生が内定承諾となる決め手や、内定承諾率を上げるポイントについてご紹介してきました。

学生は、就職先を選ぶ時、自らの成長を望みつつ、福利厚生や勤務先など、安定性を重要視していることが分かります。

売り手市場が続く中での採用活動では、一定の内定辞退は視野に入れつつ、学生が企業に臨むことを踏まえ、採用プロセスやマナーの見直しを行うことで、内定承諾率を上げていくようにしましょう。

候補者不足や内定承諾率で悩んでいる企業は、今回の記事を読んで参考にしてみて下さい。