内定者フォローの目的と取り組み事例を徹底解説

採用活動は、求人から始まり、入社までが一連の流れとなっており、その中でも応募から内定者の決定までに焦点が当てられがちですが、内定後のフォローも忘れてはいけません。

内定者フォローは、内定辞退を防ぐだけではなく、入社までのスキルアップや、社会人としてのマナーなどを身に着ける目的で行われる大切な要素があります。

内定者フォローの内容が充実したものであれば、内定者の不安を少なくし、内定辞退を防ぐ役割が期待できます。

今回は、内定者フォローの目的と効果的な取り組みの事例を解説致します。

内定者フォローとは

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内定者フォローとは、内定者に対し、企業が入社前に行う催しの事をいいます。種類としては、研修会や懇親会、勉強会など、企業によって特徴があります。

内定後、入社までの間に定期的にフォロー行うことで、入社の意思決定を固め、企業についての理解をより深めて貰う事が大きな目的です。

売り手市場が続く中、就活生の中には、2社、3社と複数の企業から内定をもらう学生も少なくなく、企業側は内定者を決定したのちも、内定辞退されるリスクを抱えています。内定者フォローは、内定辞退を防ぎ、入社後の環境に慣れるよう、行われる事が多いです。

内定者フォローの3つの目的

内定者フォローは大きく分けて次のような目的で行われます。具体的に見て行きましょう。

・内定辞退を防ぐため

リクルート社の就職研究機関として、就活状況を調査し発表している“就職みらい研究所”があり、大卒就活生の内定状況について調査結果を発表しています。

その結果によりますと、大卒予定者の学生が、2社以上の企業から内定をもらっている割合は、約3割に上ります。(2023度卒 7月時点)
つまり、約3割の学生は、なんらかの理由で、内定辞退となる可能性を表しています。

内定者フォローの最大の目的は、企業理念や展開している業務内容や条件の確認など、企業について理解を深めてもらい、他社へと興味を移すことなく、自社への入社の意思を固めてもらうために、開催されます。

・入社前の研修のため

新入社員の場合、アルバイトなどを除いて、ほとんどの学生は社会経験がありません。
これから社会人となるにあたり、社会人として知っておいて欲しい基本的なマナーをはじめ、本格的に業務を行うまえの研修として、初歩的な動作や作業など実践したり、学習したりします。

また、業務の実務だけではなく、これから社会人となるために、残された学生で何が出来るのか、何をすべきなのかという事を考えるようなミッションが与えられる事もあります。

こうした研修を行う事で、入社に行う作業について知ることが出来、入社後にどんなことを備えて置くべきかを知ることに繋がります。

・内定者同士や先輩社員との親睦のため

内定者は、新しい生活に期待が膨らむ分、不安も抱えています。
同じ不安を抱える仲間同士で交流を深める事や、比較的社歴の浅い先輩社員と交流を図ることで、こうした不安を解消しやすくなります。

その他にも、上司や現場の先輩や教育係など、社内のさまざまな人たちと親睦を図ることで、今後の同僚となる仲間や上司、先輩などの様子を知ることが出来、さらに自分を知って貰うことにもつながります。

入社前にこうした交流が出来る事で、入社後の不安を取り除き、新しい環境に馴染みやすくなります。

内定者が感じている5つの不安

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内定者フォローは、内定者の不安を軽くし、新しい会社でスムーズなスタートが出来る目的

で行われます。

そのためには、内定者がどんな悩みを抱えているかを知ることが大切です。内定者が抱えがちな不安についてまとめました。

・会社が本当に自分に合っているかという不安

就職先は、今後の自分の生活に大きく関わる大切な決断です。ただし、100%自分の希望に合う企業はまず見つかりません。
そのため、複数の内定を獲得し、優先順位の高い企業へと就職先を決める事が多いでしょう。

内定者は、内定が出たのちも、業務内容や、企業風土、人間関係などを総合的に見て、本当に自分に合っているのか、企業の経営状況は問題ないのか、長期間勤務出来る場所なのかという不安を抱えています。

・業務についての不安

希望する職種、希望する企業へ内定が出たとしても、本当にその業務に適性があるのか、業務について行かれるのか、想像は出来ても、実際に経験が無ければ、不安を抱えてしまう事も多いでしょう。

特に第一志望出なかった場合や、OGやOBなど周囲に業務や企業について知っている人が少ない場合、経験談を聞いたり入社後の様子を聞いたりすることが出来ない場合、自分が業務を遂行できるのか、相談相手はいるのかという不安を感じる人が多いことが想像出来ます。

・給与や昇給など待遇への不安

会社説明会や資料等で、給与や昇給について知っていたとしても、今後どのような評価を受け、待遇がどうなるのかという不安を抱える人も少なくないでしょう。

特に学生の場合、月給制という形で給与を受け取るのは、初めての人がほとんどです。
給与体系や天引き、賞与をはじめ、業務についてどのように評価されるのかという不安を抱えています。

・転勤や異動などへの不安

ある程度希望の大きい会社に勤務している場合、支店や支社をはじめ、子会社や関連会社などに転勤や異動、場合によっては出向という事もあるでしょう。

若年層は、比較的ワークライフバランスを大切にする傾向があり、勤務場所が遠い場合や、希望しない場所への異動を避ける傾向があると言われています。

転勤や異動などがある企業では、入社後の配属先や転勤および異動について、具体的に知っておきたいと考える内定者もいるでしょう。

・人間関係への不安

どのような場面でも、人間関係への不安は尽きない問題です。特に会社は、学生の事と違い上下関係があるため、どのような態度で接するのが正解なのか、不安を感じやすい要素です。

社会人となれば、年の離れた上司や取引先など、さまざまな人達とコミュニケーションを取らなれず、職種によっては、長時間同じ空間で過ごさなければなりません。

分からない事を相談できる相手がいるのか、先輩や上司は尊敬できる人達か、これから同僚となる仲間についても、悩みを共有し相談でき、お互いに高め合える相手なのかも気になるところでしょう。

内定者フォローの取り組み内容

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内定者が抱える不安についてご紹介してきました。内定者が抱えるさまざまな問題を解消すべく、どのようなフォローをすれば良いのか、ご紹介致します。

・親睦会

内定者も先輩社員たちも、まずは、お互いを知り、理解を深めコミュニケーションを取る事で、より良い関係を築きやすい事から、まずは、対面し親睦を深めるような内定者フォローを行う企業が多く見られます。

最初にアイスブレイクタイムを設け、まずは参加者の緊張をほぐします。
その後は、簡単な会社説明会や会社側の出席者を紹介してきます。

参加者としては人事担当者だけではなく、現場の責任者や勤続年数の浅い先輩社員などが出席していると、参加者からの質問等に答える事が出来、より有意義な会になるでしょう。

・一般常識やマナー研修

人間関係の構築の次に気になるのが、実務ではないでしょうか。
しかし、実務に入る前に、社会人として、知っておかなければならない基本的なマナーがあります。

例えば、挨拶の仕方、言葉遣い、コロナ渦で対面する機会が少なくなったとはいえ、営業職などでは、名刺交換、メール送信時の文面、電話応対などが挙げられるでしょう。

親睦会などで、お互いの交流を深めたのち、次の段階として、接客業や営業職、事務職ではこうしたマナー研修を行う企業もあります。

・実務に関する勉強会

続いて開催される内容として多いのは、実際に簡単な業務を経験する勉強会や研修などです。

IT関連企業などですと、実際にプロジェクトに参加したり、実務に関連する課題が与えられたりする事もあります。

実際に実務に触れたり、プロジェクトに参加したりすることで、会社の一員となる自覚が生まれ、今後のやる気や業務への意気込みへと繋がっていきやすくなります。

内定者フォローの注意点

内定者フォローを行っているのにも関わらず、内定辞退者が多い、もしくは参加者からの反応が良くない場合、内定者フォローの内容が、業務の実態に即していない、もしくは内容に目新しさや進歩が見られない事が考えらえます。

内定者は、企業理念や業務内容など、ある程度調べたうえで応募しています。
内定者フォローでは、もう少し企業の中身や業務内容について踏み込んだ内容にしなければ、参加者から見れば、就職説明会と同じような内容に感じられてしまい、会社自体に新鮮味や魅力がないように映ってしまいます。

新卒採用の場合、内定者はまだ学生です。学生の本分は勉強ですので、研修や勉強会などの内定者フォローの回数が多かったり、複雑すぎたり、アルバイトの代わりのような役割となってしまうと、大きな負担です。

あくまでの入社までのフォローである事を意識しましょう。

内定者フォローで活用できるツール事例をご紹介

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内定者フォローで、活用できるツールの事例をご紹介致します。

SNS機能

これからの新生活で不安な気持ちを共有したい、ちょっとした疑問を誰かに相談したいなど、会社の担当者へメールするほどではないが、漠然とした不安な気持ちや小さな疑問点などを気軽に相談できる方法として、内定者だけが利用できるSNSはいかがでしょうか。

新卒採用者は、X(旧Twitter)やインスタなどを通じ、気軽なやり取りに慣れている事もあり、企業や業務に対しての不安を内定者同士で共有したり、相談することで、悩んでいるのは自分だけではないという安心感や、絆の深まりを感じやすくなります。

eラーニング

コロナ渦により、採用業務や社員教育に、オンラインを導入する企業も増えました。
同様に内定者フォローのツールとして、利用するケースも多く見られます。

内定者フォローのeラーニングとして利用する場合、WordやExcel、PowerPointといった業務に必要な基本的なPC作業、メール文章やビジネス文章の作成方法、ビジネスマナーなど多岐に渡ります。

また、入社後専門的な知識を必要する業務では、業務で必要な資格取得方法、デジタルコンテンツ業務などでは著作権、情報セキュリティーなどを学ぶケースもあります。

まとめ

今回は、内定者フォローの目的と取り組み事例ついてご紹介してまいりました。

多くの時間と費用を掛けて内定者を決定しても、内定辞退となってしまうと、これまでの工程がすべてムダになってしまいます。

効果的な内定者フォローは、内定者の士気や入社意欲を高め、内定辞退を防ぎますが、内定者の負担にならないよう、気を付けなければなりません。

内定者フォローに悩む企業は、この記事を参考にしてみて下さい。