ITエンジニア採用を成功させるスカウトのポイント 開封率・返信率を向上させる秘訣を徹底解説


採用活動において、売り手市場が続き、業種によっては、常に人手不足の状態が続いています。

世界的に急速なデジタル化が進む中、エンジニアの需要は年々増加が高まり、優秀なエンジニアの採用に頭を悩ませている企業は少なくありません。

自社にマッチするITエンジニアを採用へ導く方法として、“スカウト”が有名ですが、エンジニアの目に留まりやすいスカウトの方法やポイントについて、ご紹介致します。

ITエンジニアの転職求人倍率は他業種の倍以上

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大手求人情報サイトdodaでは、2022年9月に転職求人倍率レポートを発表しています。その内容によりますと、2022年1月~8月の全国平均求人倍率は1.8倍~2倍となっています。

一方ITエンジニアの求人倍率は5.5倍~5.9倍で、全国平均の3倍近い倍率です。

コロナ禍で、採用を見合わせる企業が多かった2020年の年間を通しても、求人倍率3倍を下回る月がなく、ITエンジニアの求人は常に高い倍率を維持していました。

ITエンジニアの求人が高い大きな理由として、IT技術の急速な発展が挙げられます。日々新しい技術が生まれ、競争が激しくなる中、より新しい技術開発のため、専門的で高い技術を持つエンジニアの需要が高まっているためです。

DX推進などで今後もITエンジニアの求人は高まる可能性

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DX推進に向け、2025年までにデジタル化の動きが高まっており、ITエンジニアの需要に拍車を掛けています。

DX推進することで、電機関係、工業関係、金融関係などあらゆる事業において、業務をシステム化にすることで、製品向上やサービスの効率化につながり、経営力のアップや企業の成長となり、最終的にGDPを上げる事を目標としています。

そのため、あらゆる分野でIT化に備え、ITエンジニアを求める企業が増加の一途をたどっているのです。

ITエンジニアの採用にスカウト法が選ばれる理由

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ITエンジニアの業務は非常に忙しいだけでなく、常に人手不足のため採用競争が激しくなっています。

そのため、求人広告を見て応募してきたエンジニアを採用するのでは採用競争に勝つことは難しく、転職活動を行っていないが、より良い条件の職場があれば転職したいと考える転職潜在層にも、企業側から積極的にアプローチする必要が出てきました。

転職潜在層のエンジニアをアプローチする方法として、選ばれるのがスカウトです。

スカウトとは、直接エンジニアにメールを送り、自社への転職を促す方法ですが、技術力や経験を積んだエンジニアは、各企業からスカウトメールが来ていることが多く、開封してもらうのに苦労している企業も多いのが現状です。

忙しいエンジニアから興味を持って貰うには、どのようなスカウトを行えばいいのか、コツを見ていきましょう。

自社の条件にマッチするエンジニアをスカウトしよう

まずはどのようなエンジニアを求めているのか条件を定めます。エンジニアと一口にいっても、

プログラマーや、WEBエンジニアなどの開発系エンジニアや、プロジェクト管理を行うエンジニア、サーバーエンジニアなどのインフラエンジニアなど、さまざまな種類があります。

自社で採用を行うのは、どの分野なのか、自社が求める技術を持つエンジニアはどの分野に当たるのか、しっかり確認をしてから、スカウトする人物を定めましょう。

ITエンジニアにスカウトメールを読んでもらうためのポイント

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続いて、ITエンジニアスカウトメールを読んでもらうためのポイントを7つご紹介致します。ITエンジニアは業務が忙しいことに加え、頻繁にスカウトが来ていることが予想されます。

どのような点に気をつければ、エンジニアの目に留まりやすくなるか、注意しながら文面を作成していきましょう。

① 件名は分かりやすく書こう

ITエンジニアは、常に新しい技術改革に取り組んでおり、忙しい業務です。また人出不足のため、経験豊かなエンジニアには、多くのスカウトが届いている可能性が高いです。

そのようなエンジニアの目に留まりやすいのは、“分かりやすさ”です。パッと件名を見て興味を引くような、分かりやすい件名でまず目を引きましょう。

最初の件名で、そのメールを開くかどうかが決まると言っても過言ではありません。分かりやすく、興味を引く件名を書きましょう。

② 本文は読みやすく簡潔に書こう

件名でエンジニアの目を引いたら、続いては本文です。

ダラダラした文章ではなく、大切な要件は入れつつも簡潔に書きます。テンプレートで書かれた文章ではなく、自社の簡単な紹介と、手掛けている事業、求める人材を必要として、エンジニアをスカウトした理由などを記載していきます。

箇条書きなどにしても良いでしょう。

③ 固有名詞は正確に書こう

IT関連の用語は専門性が高く難易度が高いですが、スカウトメールで専門用語を使う場合、正確に書くことが重要になってきます。

なぜなら、エンジニアは高い専門性を持ち、自身の仕事にプライドを持っています。仕事で使う用語が間違っていると、スカウトする側の企業のITスキルのレベルの高さが疑われ、エンジニアはその時点で興味を失ってしまいます。

専門知識の無い人が、メールの文面を書く際は、特に注意が必要です。

IT関連だけに限った事ではありませんが、誤字脱字の無いよう、送付前にしっかりチェックしましょう。

④ これまでの会社の功績や魅力を書こう

誰もが知っている大手企業ならいざ知らず、中小企業やベンチャー企業であれば、企業のこれまでの功績を載せましょう。

自社HPや紹介動画などを添付するのも、おすすめの方法です。

過去の功績や業績について、具体的な数字が掲載できれば、なお興味を引きやすくなります。過去の業績だけではなく、これから展開していきたい新規事業や求める人材についても具体的に掲載できると、エンジニアを引きつけるポイントになります。

また、活躍している社員の功績などを載せてみるのも、興味を引くかもしれません。合わせて

自社の魅力や強みについて書くのも良いでしょう。

⑤ エンジニア個人への興味を強調しよう

ネットで調べますと、スカウトメールには各種さまざまなテンプレートがあります。日々いろいろなところからスカウトが来るエンジニアに、ありきたりな文章を送ったのでは、最後までメールを読んでもらう事は難しいかもしれません。

自社のこれからの事業展開と、エンジニア個人のこれまでの功績とスキルは事前にしっかりと下調べしておきましょう。

エンジニア個人のどのような能力やスキルに興味を持ったのか、自社の事業展開に必要だと感じたスキルなど、ぜひ自社の発展に必要だということを強調して書き、エンジニアに関心を持ってもらうようにします。

⑥ ポジティブな文章にしよう

文章全体の印象はどのような印象でしょうか。スカウトメールを読み終わった後、自分に寄り添ってくれるような、思わずスカウトしてきた企業の担当者に会ってみたいと感じるような、詳細を聞きたいと感じるような、明るい文章になっているでしょうか。

潜在的に転職したいと考えているエンジニアは、現状の職場環境や雇用条件、待遇などに不満を持っていることも少なくありません。

そのため、スカウトメールを見て、自分のスキルを発揮でき、より良い条件や環境の職場からスカウトが来れば、関心を示し、返信をする確率が高くなります。

⑦ 送るタイミングに注意しよう

どんなに内容の良いスカウトメールでも、タイミングが合わなければ、メールを閲覧してもらえないかもしれません。

エンジニアは、時間帯でも忙しい可能性がありますが、基本的には日中の就業時間帯に送付するのが基本です。

メールはどの時間帯でも送付する事が出来ますが、深夜や早朝に送ると、非常識な会社と捉えられてしまう可能性がありますので、注意しましょう。

スカウトメールの返信率を上げるコツをご紹介

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まずは、スカウトメールを読んでもらう事が出来たら、続いて返信をもらえるコツについて見ていきましょう。

① 現場のエンジニアに関わってもらおう

せっかく読んでもらったスカウトメールでも、閲覧したエンジニアの印象に残る内容でなければ、読まれて終わってしまうかもしれません。

内容がエンジニアの心をつかむ内容になっているかどうか、送付前に自社のエンジニアに確認をしてもらいましょう。

専門用語が正しく使えているか、業務実績や求めているスキルの用語に誤りがないか、内容はエンジニアが読んで興味を引く内容かどうか、自社のエンジニアから見て、魅力的な内容になっているか、送付前に確認が必要です。

② 職位の高い人からメッセージを送ろう

スカウトメールは可能な限り職位の高い人から送付した方が、効果があるでしょう。もし人事担当者から送る場合は、面接時にはCEOに同席の用意がある、職位の高い方が、あなたに関心を持っているという気持ちの強さをアピールしましょう。

職位の高い人からメッセージが来ることや、面接で直接CEOなどのトップクラスの方と話が出来る可能性があることが感じられると、エンジニアの心に響き、一度は話を聞いてみようかと興味を持ち、返信が来る可能性があります。

③ まずはカジュアルな面接や会食などで距離を縮めよう

メールやり取りが続き、エンジニアと対面することになったら、かっちりとした面接というより、まずは雑談を交えつつ、ラフな雰囲気の中で交流を深めていきましょう。

エンジニアに限った話ではないですが、現職の中には、今は転職の意思はないが、いずれ転職をしたいという転職潜在層が多いと言われています。

エンジニアと対面まで出来たということは、スカウトの第一段階までは成功できたという事ですから、カジュアルな雰囲気の面接を定期的に行い、交流を深めつつ、あせらず採用へと繋げていきましょう。

スカウトメールの例文

これまで、スカウトメールを読んでもらい、返信率を上げるコツについてご紹介してきました。それでは、実際にスカウトメールの内容について例文を見ていきましょう。

スカウト例文

「はじめまして。
〇×△社で開発を行っているBと申します。
プロフィールを拝見し、サーバーOSに関するスキルとご経験が豊富で、LinuxCの認定資格を取得されていること、VMwareに深い知識をお持ちという点に魅力を感じ、スカウトを送らせて頂きました。

サーバーの仮想化やクラウド化は、急速に発展しており、弊社でも今後サーバーの仮想化事業に力をいれ、開発チームを発足しました。

目標としましては、来年〇月までに、企業向けの製品開発を目指しており、現在開発チームの強化に伴い、OSに対する幅広い知識と経験を持つエンジニアの採用に力を入れております。

そこで、△のポジションをご希望のA様にマッチするのではないかと思い、ご連絡させて頂きました。

A様にお願いしたいのは、顧客の要望を聞き新期技術の構築と設計をお願いしたいと考えており、その後は保守や点検などの含め、幅広く業務に携わって頂きたいと考えております。

まずは、現在転職の意思が無くても、少しでも興味を持っていただけましたら、A様とカジュアルにお話しできる機会をいただけないでしょうか。

それでは、ご連絡お待ちしております。」

まとめ

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今回は、ITエンジニアのスカウトを成功するためのコツや、返信率を上げるためのポイントについてご紹介しました。

エンジニアは、慢性的な人手不足の状態が続いており、今後もIT技術発展の急速化から、採用市場で人材獲得に向け、激しさを増す事が予想されます。

また、エンジニアの中には、いずれ良い職場があれば、転職をしたいと考える潜在転職層が多いとも言われており、エンジニアの採用には、一般的な採用方法では人材不足を解消するのは難しく、スカウト手法が主流となりつつあります。

スカウトメールを送る際には、エンジニアの能力やスキルを歓迎する旨をしっかりと伝えることをポイントに置き、エンジニア一人一人に合わせた文面にすることが大切です。

エンジニアのスカウトに悩む企業の担当者は、ぜひこの文章を参考にしてみて下さい。