【人事採用担当者必見!】候補者の面接辞退やドタキャンを防止・回避するために必要な改善策


採用活動で担当者を悩ませることの一つに、候補者の面接直前でのキャンセルや、無断欠席があります。

候補者の直前でのキャンセルや無断欠席はなぜ起こるのか、回避するために有効な対策はあるのでしょうか。

今回は、こうした状況を防ぐために必要な対策についてご紹介いたします。

面接辞退や内定辞退の動向

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面接辞退や内定辞退は今に始まったことではありません。リクルートが運営する就職研究団体である就職みらい研究所の調査によりますと、大学生の新卒内定辞退率は2022年5月1日時点で38.2%でした。

同調査の新卒内定辞退率は、2021年5月1日時点は27.9%、2020年5月1日時点は25.6%という結果となっています。

2022年と比べて、2020年や2021年の数字が低い理由として、コロナ渦による影響が考えられますが、その他に少子化のため、売り手市場が続いており、求職者がよりよい条件を求めるため、内定辞退や面接辞退となっている状況が考えられます。

ドタキャンはなぜ起こる?

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面接辞退は、求職者の理由で起こっている場合と、企業が原因で辞退している場合があります。

求職者が理由の場合、求職者が他の企業から内定が出た、志望順位の高い企業の面接と時間がかぶってしまったというような理由が多くなっています。

企業が原因で辞退している場合では、口コミの評判が良くない、応募時の電話対応が悪かった、メールの返事が遅いなどが辞退の理由として挙げられています。

数日前あれば、企業としてもある程度予測し、体制が整えられるものの、特に採用担当者を悩ませるのが、一定の割合で起こる直前でのキャンセル、いわゆるドタキャンや無断欠席です。

ではなぜドタキャンや無断欠席が発生するのか、その理由を見ていきましょう。

企業側による理由

企業側の対応に問題があり、候補者の士気が下がりドタキャンや無断欠席となるケースです。

・電話やメールなどの対応が遅かった

候補者といきなり面接とはならず、電話やメールなどで少なくとも1回は、日時のやり取りを行うでしょう。

採用活動中は、多くの応募が来るため、採用担当者は、候補者の対応に追われます。採用業務に携われる人数が少なければ、必然的に候補者を待たせてしまうことになります。

採用担当者にメッセージを送っても数日連絡がこない、電話しても担当者が不在ばかりで、コールバックも遅いとなれば、候補者の気持ちは離れてしまうでしょう。

そのほかにも、メールや電話時の対応が横柄であったり、くだけ過ぎたりすると候補者に不快な印象を与えてしまう可能性があります。

・口コミやSNS等で良くない評判が出た

就活適齢期と呼ばれるZ世代や、少し年上のY世代は、ネット社会と呼ばれる中で育っています。Z世代やY世代は、買い物や資格取得の場でも、自分が行動に移す前にまずネットで調べ、口コミや評価を見て判断をします。

就活でも同様に、応募前やスカウトを受けた企業について、求人サイトの口コミやSNS等でどのような評判なのか事前に調べます。

口コミや評価を調べた結果、良くない情報や評価が悪い場合、面接直前でも候補者がドタキャンをすることが考えられます。

・スカウトメールがテンプレートで不安に感じた

スカウトを行っている企業で、ダイレクトスカウトサービスや採用業務ソフトを利用している場合、候補者に送付されるメールがテンプレートの内容のままになっていないでしょうか。

採用ソフトやアプリ等のテンプレート、メールの自動送信機能を利用したメッセージは、送る方としては楽なのですが、受け取り手としては、機械的で冷たく感じ、印象が悪くなったり、記憶に残りにくかったりする傾向が見られます。

その結果、面接日時を忘れてしまい、無断欠席やドタキャンにつながってしまいます。

・質問や連絡への対応が不誠実であった

応募時やスカウト後に、質問等で候補者が企業へ連絡を入れた際、対応した人の対応が悪かったり、採用担当者の態度が横柄であったりした場合などで、企業の印象が悪くなることがあります。

その他にも、メールの返信が遅い、質問に対する回答が来ないなど、対応に問題があると、候補者側からも不誠実な対応をされることになります。

応募者側の理由

次に応募者側の理由で、ドタキャンとなるケースです。体調不良や交通機関の遅れ、オンラインの場合では通信障害など、やむをえない場合もあるでしょう。

ただし、次にあげる理由は、ある程度対策を取ることで、ドタキャンを減らすことが可能と考えられる理由です。

・スカウトが来たが、希望とは異なると判断したため、辞退

スカウトが来たものの、希望していた職種とは若干差がある、職場環境が自分とは合わないと感じた、待遇や勤務条件が合致しないなどの理由で、面接辞退となるケースです。

企業側が採用を強く希望していても、候補者の熱意が低い場合、悩んだ挙句ドタキャンで辞退してしまう結果になります。

ドタキャンを防ぐには、選考前にオンラインなどで職場環境を掲載する、交流会などで現場職員と候補者が事前に交流し、職場の様子や業務内容についてある程度オープンにするなどの対策で、ある程ドタキャン率を低下させることは出来るかもしれません。

・応募者の気持ちが薄れた

就職活動や転職活動を行っていく中で、いくつかの企業を受けているうちに、応募者自身の気持ちに変化が生じ、辞退となるケースです。

例えば、将来就きたい仕事に迷いがあり、他の職種に興味が移った、首都圏での就職を希望していたが、地元で就職したい気持ちが湧いてきたといったところでしょう。

・志望度の高い企業から選考通過、内定通知が来た

転職活動や就職活動では、複数の企業を同時期に受けるのが一般的です。そのため、志望度の高い他社の選考通過や内定が出てしまうと、他の企業は直前でもキャンセルということになってしまいます。

中途採用者だけではなく、新卒者も通年採用を導入する企業が増えるなど、活発化している採用市場ですが、採用活動にはある程度波があり、人員募集が活発になる時期と閑散期に分かれることがあります。

そのため、市場全体で採用活動が活発な時期は、人員も集まりやすいですが、直前で面接辞退となる割合も多くなります。

面接辞退にならないための対策5選

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ここまで、なぜ候補者が、ドタキャンで面接辞退や内定辞退という行動を取るという理由について、見てきました。すべてのキャンセルを防ぐことは難しいですが、対策を取ることである程度防ぐことが期待できます。

次の記事を参考に、出来ることから始めていきましょう。

・候補者の対応はスピーディに行う

優秀な候補者は、他の企業からも書類選考を通過し、面接を待っているかもしれません。自社にマッチすると感じた候補者には、出来るだけスピーディに面接を行いましょう。

採用へつなげたいと感じた候補者には、次の面接日程の具体的な日時を出来るだけ早く抑えてしまいます。

そうすることで、企業が自分に興味をもってくれている熱意が候補者に伝わりやすくなりますし、他の企業の内定が決まる前に、採用へと導くことが出来ます。

・誠実な対応を心がけよう

候補者には、会社説明会や交流会などで対面する時および電話対応などでも、誠実で丁寧な対応を心がけましょう。

採用後に働き方や職場環境など、会社に興味が強いほど、候補者から応募前に質問等が多く出てくるかもしれません。中には回答が難しい、現段階では答えにくい質問が来ることもあるでしょう。

そのような場合でも、回答を避けるのでなく、現段階で伝えられる範囲で誠実に答えるようにします。

将来ドタキャンした候補者が、取引先や顧客となるなど、何らかの繋がりが出来る可能性も覚えておきましょう。

・応募から採用までの流れをスムーズに行おう

応募から採用まで、例年の採用活動の流れはスムーズに行われていますでしょうか。新卒採用であれば、エントリーから始まり、書類選考や複数回の面接など、ある程度時間を掛けて選考を行うでしょう。ただし、中途採用であれば、応募から書類選考、面接までの日程はスムーズに行わなければなりません。

なぜなら、中途採用者は、生活のため転職活動を行っていること、現職であれば仕事とのスケジュール管理が大変であるためです。

選考や面接までの流れが途切れ途切れになると、候補者と予定が合わなくなったり、途中で不信感を持たれたりする可能性があります。

採用業務の流れが滞りなく行えるように、日ごろからしっかりと計画を立てることが大切です。

・情報には一貫性を持たせよう

候補者は、これから働く環境を知るために、企業㏋や求人サイト、SNSなどあらゆる角度から企業についての情報を集めます。

ところが、自社㏋と求人サイトに掲載されている情報が違っていたり、Twitterなどに、掲載されていない企業情報が流れたりすると、候補者に不信感が生じ、結果的にドタキャンに繋がってしまう可能性があります。

企業からしてみれば、課題点や問題点は、出来るだけ外部へ発信を控えたいと感じるかもしれません。ですが、候補者は、事前に自分が働く会社の情報を出来るだけ知っておきたいと考えるのが、自然でしょう。

企業の課題や弱い面も出来る範囲で包み隠さず公開する、表やグラフの値は正しい数字を掲載することで、内容に一貫性が生まれ、候補者からの信頼が生まれることになります。

信頼できる情報発信を続けていくことで、周囲からの評価も上がり、候補者はドタキャンなどの不誠実な事はしにくくなります。

・企業を認知してもらう取り組みを行う

企業の認知度が低いと、候補者からドタキャンといったぞんざいな扱いをされてしまいがちです。

就職活動、転職活動は複数の企業に同時に応募することが多いため、あまり知らない企業になんとなく応募したら、選考が通り、面接になってしまったという候補者もいるでしょう。

自社の認知度が低いと感じている場合、まずは、交流会やイベント等を開き、自社の認知度を上げファンを増やして行きましょう。

今すぐできる面接辞退を防ぐ3選

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企業がドタキャンを防ぐ方法のうち、すぐに対応できる方法をまとめました。

・面接日時をリマインドしよう

面接のドタキャンや無断欠席の理由として、うっかり忘れてしまったという場合もめずらしくありません。

忘れてしまうことを防止する、自社への入社意欲が変わっていないか確認する意味を込めて、3日前、前日などにあらためて面接日時について、メールなどでリマインドすると良いでしょう。

・面接可能な日時の幅を広げる

求人案内を出した直後は、応募者が大勢集まるため、面接が殺到しがちです。候補者が、やむをえず希望しない日時に面接予定を入れたが、直前で用事が出来たり、面倒になったりしてドタキャンしてしまうケースです。

求人案内を出した後は、出来るだけ面接日時の幅を持たせる、応募条件を明確にし、候補者を絞る質問等を簡潔にし、一人当たりの面接時間を短縮するなどの対策が考えられるでしょう。

・候補者に連絡可能な日時を尋ねる

候補者にあらかじめ連絡可能な日時を確認しておく方法です。

候補者が都合の良い時間を聞いておけば、連絡の行き違いがなく、スムーズに連絡を取り合うことが出来るため、無断欠席やドタキャンとなることが少なくなります。

応募時などに、無理のない範囲で、連絡可能な日時を尋ねておきましょう。

まとめ

今回は、候補者が面接辞退やドタキャンをする理由や、防止する改善策についてご紹介してきました。

ドタキャンや無断欠席は、どのような場面でも避けるべきマナーですが、売り手市場と呼ばれる中、求職者がよりよい条件を求めて就職活動・転職活動を行うことで、起こっています。

企業側による理由、求職者側の理由、どちらの理由も考えられ、求職者の急な傷病など防げない場合もありますが、日時のリマインドを行う、丁寧で誠実な対応を心がけるなど、企業の努力で防げる対策が数多くあります。

候補者のドタキャンや無断欠席に悩む企業は、この記事を読んで参考にしてみてくださいね。