企業が大量採用をするメリット・デメリット 成功させるためにやるべきこととやってはいけないこと


企業が人の募集をする理由はさまざまです。退職者が出たための補充や、新規事業や店舗拡大のためなどの理由が挙げられるでしょう。

求人広告見ていると、社員だけではなく、パートやアルバイトなどでも、大量募集などと書かれている広告を見かけることがあります。

大量採用には、メリット・デメリットがあり、成功するには、採用方法やポイントなどがあります。

今回は、企業が大量採用を行う際、成功に導くために行うべきことについてご紹介いたします。

大量採用とは?

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大量採用とは、文字通り一度の募集で、多くの応募者を採用すること言います。正社員だけではなく、チェーンの飲食店など、パートやアルバイトの求人広告で見かけることもあるでしょう。

そのほかにも、新規事業や店舗拡大といった内容で、一つの広告で、複数の人数を採用することがあります。

大量採用の目安

大量採用と一口にいっても、きちんとした定義があるわけではありませんが、10人以上の人員を一度の採用することを指すことが多いです。

その他に、求人を出した企業の従業員数に対し、採用人数が多い場合に、大量採用と言う言い方をすることもあります。

大量採用を行う理由

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大量採用を行う会社と言いますと、残業時間超過などで、従業員を大切にしないブラック企業というイメージを持たれやすいですが、ネガティブな理由ばかりではありません。

大量採用を行うには、さまざまな理由があります。大きくわけて次の3点があげられるでしょう。

・新規事業拡大のため

新規事業を始めたため、店舗を新しく出店したためなど、企業が発展拡大していく中で、大量に新規社員を採用したいケースもあります。

・離職率が高い職種なため

IT関連やエンジニアなど、職種全体で離職率が高いため、人員確保のために大量に採用する場合があります。

IT関連業務以外でも、建築業、金融業、医療介護業界でも離職率が高い傾向があります。職種では、エンジニアなどの技術職、営業職、介護職などは人の流動が激しいため、大量に雇用する傾向が見られます。

・将来に備え人材育成のため

企業が発展していくためには、人材の確保は重要です。少子高齢化が続く日本では、売り手市場が続き、若い働き手の確保に厳しい状態が続いています。

企業の将来に備え、若い世代の社員を確保し、育てるために新入社員を大量に採用し、教育を行い、育成していくケースもあります。

大量採用を行うメリット・デメリット

大量採用には、メリットばかりではなく、一度の大量採用することによるデメリットもあります。大量採用にともなうメリット・デメリットを見てきましょう。

・メリット

大量採用のメリットとして次の2点があります。

①多様な人材を採用できる

一度の大量の人材を採用すると、多種多様な人材を採用することが出来ます。大勢の人材が集まるということは、色々な能力や経験を持つ人材が集まっているということであり、今後の事業拡大や新規事業展開に、あらゆる角度からアイデアが生まれやすいという事です。

これまでの人と違った考えや能力を持つ人材が集まれば、新しい視点で事業に取り組むことが出来る点や、気が付かなかった課題などに気が付くこともあるでしょう。

また、適材適所という言葉がある通り、多様な人材がいれば、適した場所に配属することが出来ます。

②採用費用を抑えられる

採用業務には、多くの費用と時間が掛かります。一度の採用で大量の人材を採用するので、採用業務のコストを抑えることが出来ます。

採用業務には、応募→書類選考→面接→内定の段階を踏むのが一般的で、採用までに多くの費用を必要とします。例えば求人広告は掲載時に掲載費用が発生しますし、求人サイトを利用すれば、内定決定時には、多額の報酬を支払わなければなりません。

また、会社説明会や面接も、オンラインが主流になってきたとはいえ、ネット環境整備やセキュリティ対策など、一度の採用業務で多くの費用や採用担当者の労力が負担になります。

採用を大量に行うと、採用に関する費用負担や担当者の労力が一度で済むので、コスト削減や業務の効率化につながります。

・デメリット

続いて、大量採用を行ったときのデメリットについて、ご紹介します。

①採用者一人一人に手が回りにくい

採用者一人一人の教育にかけられる時間や人員は限られてしまうため、一度に大量に採用者が出ると手が回りきらず、個々への対応が手薄になってしまいます。

採用者一人一人に対する対応が手薄になってしまうと、コミュニケーション不足を招き、新しい環境で慣れない採用者は、不安を抱えやすくなります。

不安が解消されずにいると、成長できない、正しく評価されないと不満や不信感を感じ、せっかく採用した人が、早期離職という形になりやすくなります。

従業員が大量離職する企業というイメージが付きやすい

大量採用を行っている場合、採用者一人に掛けられる工数が限られてしまうため、新入社員の不安や困りごとに気が付きにくい面があります。

その結果、せっかく採用した人がどんどん退職してしまうと、足りない人員を確保すため、再度募集をすることになります。

上記の事を繰り返すと、求人広告にいつも掲載されている企業ということで、社員を大事にしない会社、社員が定着しにくい会社というイメージが世間に付いてしまい、新規採用がしにくくなったり、会社の評価を落としてしまったりする結果となります。

大量採用を行う時のポイント

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続いて、大量採用を行う時にポイントについてご紹介します。

・希望する人物像を明確にしよう

どのような理由で採用する場合であっても、求める人物像やスキル、能力など、企業が求める人物像などをハッキリさせることが大切です。

例えば、新規オープンの店舗ができ、従業員を募集する場合、明るくハキハキして、顧客とコミュニケーションが取れる人、販売する商品に対する知識が豊富な人、などが考えられるでしょう。

また、IT関係で新規事業のための大量募集であれば、各方面の専門知識やスキルを持っている方がターゲットとなるでしょう。

採用を行う目的と希望する人物像を、しっかりと定めてから募集を行うようにしましょう。

・求人方法を複数検討しよう

一度に大量の人を採用する場合、一つの媒体だけでは、求人が集まらないケースもあります。予定していた人員が確保できなければ、再度広告を出し、人を集めなければなりません。

使用する求人媒体によっては、広告を出すたびに多額の費用が掛かることもあるでしょう。

同じ媒体で求人を出し続けていると、だんだん求人広告を出しても人が集まりにくくなる、従業員が辞めてしまう会社というイメージが付きやすくなり、ますます人が来ないという悪循環に陥りやすくなります。

そのため、求人広告会社を変える、求人サイトを利用する、SNS等で案内を出すなど、求人方法の変更や複数の方法で、試してみましょう。

・求人応募を出すタイミングに注意しよう

採用市場は常に変動しています。採用市場にも波があり、採用が活発な時期、静かな時期があります。

業種にもよりますが、転職者の採用市場が活発な時期は、GW明け~夏のボーナス時期の前、10月頃、年明けの1月~3月上旬頃と言われています。採用活動は、選考や面接の日程調整などがあるため、長期連休前や4月の新入社員の入社時期を避ける傾向があります。

自社が求人広告を出す時期は、同業他社にとっても求人を出しやすい時期でもあり、転職希望者が集まりやすいですが、面接辞退、内定辞退も起こりやすい時期です。

あえて、同業他社が求人を出さない閑散期を狙う、ある程度の面接辞退、内定辞退を覚悟した上で求人を出すなど、採用市場の動向を見ながら、自社に適したタイミングを見計らいましょう。

・採用システムを利用しよう

求人媒体に案内を出し、応募者を待っているだけでは、希望する人物像の人員が集まりにくそうな場合、採用システムを利用し、転職潜在層をスカウトするという方法もあります。

スカウトを自社だけで行うには、相当な手間が掛かるため、サポートしてくれる採用システムを使用するのが便利です。採用システムは、登録している転職潜在層のうち、希望条件にマッチする人材をピックアップしてくれるので、希望する人材にメッセージを送り、採用へと繋げていきます。

メッセージの自動送信をはじめ、面接日の管理機能、その後の採用事務手続きのサポート機能などを備えているシステムも多く、大量採用を考えている場合は、使用を検討してみても良いでしょう。

・採用候補者を日ごろから集めておこう

新規事業を考えており、ある程度の能力やスキルのある人を一定数採用したいと考えても、スキルや能力のある優秀な人材は、他社で働いていたり、自分で会社を立ち上げていたりして、応募を出しても、決まった期限内に大量に集めることは簡単ではありません。

いざという時に備え、交流会などを開き、一定数の優秀な人材と定期的にコンタクトを取り、自社に興味を持ち続けてもらい、ここぞという時に転職へ導く方法です。

日ごろから、優秀な人材を候補者として、定期的に関係を深めて置くことで、事業拡大の際にもスキルと能力を持った人材を、慌てずに集めることが出来ます。

・主婦層を採用しよう

働き方改革や育児法の改正により、出産や育児後も女性が働きやすい社会になってきましたが、保活問題などで退職せざるを得ない、もしくは社員からパートへの身分変更などを、余儀なくされている女性もいらっしゃるでしょう。

育児や介護などで、家庭の事情で会社を辞めざるを得なかった主婦の中には、優秀なスキルを持ちながら、なかなかその能力を発揮できない人材もいます。

そうした主婦層をターゲットにし、求人をかけることで、大量採用につなげるという方法もあります。

大量採用におすすめの検索エンジンをご紹介

大量採用におすすめのサイトをご紹介します。

・Indeed

indeed
画像引用:indeedホームページ

無料で求人掲載が利用でき、応募画面から企業サイトへの移動を簡単に行うことが可能な、

求人検索エンジンです。

求職者は、勤務地と職種を入力するだけで、WEBで公開中されている複数の媒体の求人サイトを、一括で閲覧することができます。会社側は、ユーザー閲覧回数やキーワード検索などで、求職者の動向をデーターで把握しやすくなっています。

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・求人ボックス

求人ボックス
画像引用:求人ボックスホームページ

株式会社カカクコムが2015年にスタートした求人検索エンジンです。Indeedと同様、無料でWEB上に掲載されている求人情報を自動で表示してくれる検索エンジンです。こだわり検索機能があり、無料で求人ボックス内に求人情報を投稿することも可能ですし、有料で企業の採用ページを公開することも可能です。

求人ボックスのホームページはこちら >>

まとめ

今回は、大量採用に関するメリット・デメリット、ポイントや適した採用方法などについてご紹介してきました。

大量採用は、多様な人材を雇用できる、コストを抑えられえるといったメリットがある反面、応募者への対応や、採用者への対応が希薄になりやすい、社員が離職しやすい企業イメージが付くなどのデメリットがあります。

大量採用を行うには、敵した採用方法を取り入れるなどの工夫をするほか、タイミングに注意する、採用システムサービスを利用するなど、ポイントを押さえ、効率的に行う必要があります。

大量採用を検討している企業は、この記事を読んで参考にしてみてください。