企業の採用力を上げるためには?

採用力とはずばり、採用する企業が計画を立てた優秀な社員を採用できているか否かです。

採用力がない会社は人材不足に陥りますし、事業のスムーズな運営ができません。

採用力がなぜ必要なのか?3つのポイント

1 事業継続に不可欠

欠員が出たり退職者が出る場合は、当然ですが補充しなければなりません。

2 将来の事業拡大に不可欠

今は差し迫って必要ではないが、将来新しい事業を起こすことができる人材を確保し、準備しておく必要があります。

3 売上拡大には人材と選別が不可欠

入社したすべての人材が、100%企業の求める人材であるかどうかは、入社しなければわからない側面はあり、優秀な人を入れ替える必要もあります。

採用力を高めるために必要な7つの要素

1 採用担当者が自分の業務についてしっかり理解していることが大切

自分の会社をよく知らない人が、採用者になる会社に面接に行ったことがあります。

やらされている感が出ていますし、質問しても明確な回答が得られなかったこともあります。

そもそも働きたい企業で面接をしたいと、連絡がきているにも関わらず、採用担当者がしっかりと候補者に説明が出来ない会社に、誰も魅力を感じないでしょう。

「候補者が当然企業をしっかり理解してほしい。企業側が選んでやっている」という間違った考えをもって接すると、候補者は不安になりますし、採用力が高い会社とはいえません。

逆に、採用力を高めたいのであれば、募集しているポジションのスペシャリストが担当となり、業務内容、待遇、仕事の進め方、経験が活かせるか?などを候補者に話して、入社前と入社後ギャップがないようにしなければなりません。例えば営業であれば、その中でも一番成績のいい担当、

海外担当であれば、海外担当されている方などを選別して、入社後のイメージが湧きやすくする必要があります。
いい人が採用できたとしても、すぐにギャップがあると言われて退職されては今までの努力が水の泡です。

2 自社の長所を理解していて、全社でその長所を最大限生かす努力をしているか?

採用担当者が会社の長所やメリットをPRされるでしょう。
その時に自己満足で終わらせていませんか?

候補者はその先を見ています。
またその長所やメリットは本当に候補者、新入社員のためになっているか?

検証していますか?社内でよく議論して更に改善できることはないか?
社内的に最高な長所だと思っていても、外から見ると案外大したことない、またはっきり言って、有難迷惑な長所だと思われているかもしれません。

昔決めたメリットなどが、今の時代に即しているかわかりません。
いいと思うことでも修正して社員のためにより良いものにすることが候補者の為にも、自社の為にもなります。

経営陣も含めてさらにこうしていきたい!などを話すといいでしょう。

3 自社の短所を理解していて、その問題点を経営者・管理者側と社員が理解共有できているか?

採用担当者は、会社の短所、デメリットはPRされないでしょう。
しかし、候補者は、短所こそ知りたいところです。
仕事、会社とは、ある程度妥協しなければならない部分がどんな人にもあります。
いいところもあれば、悪いところもある。悪いところをどこまで妥協できるか、そこを候補者に納得してもらえるかが、勝負といっても過言ではありません。
短所をPRする必要はありませんが、候補者にしっかりと「OOはありません」や、「弊社はOOです」などと伝える誠意が必要です。
曖昧な回答をしてしまうと、候補者に不安な気持ちをもたれてしまいますし、会社にとっても良くありません。

その伝える内容は、しっかりと経営陣ともコンセンサスを取っておく必要があります。
入社後に候補者と、理解の齟齬がないようにしなければなりません。
合わせて、短所を経営陣が理解していない、採用担当者が人材獲得のための問題点を話しているのに、聞く耳を持たないいうことでは、採用力が上がることはありません。

4 求める人材にしっかりとした報酬が支払われる会社であるかどうか?

最近の候補者は昔と比べ、帰属意識が低いと言われています。
終身雇用制度は崩れ、大手でも倒産する時代です。
転職も当たり前になっており、第2新卒の部類もあります。

会社の大原則である、仕事をしたらその分の対価はしっかり払われる会社であること。

「残業代は出るのか?」
「申請も簡単なのか?」
「残業をするのに上司の許可が取れないなどはないか?」
「結局、自宅にPCを持って帰り家で残業することになるのか?」
「有給、福利厚生はどのようなものがあるのか?」
「ボーナスはどういう査定をするのか?」
などしっかり話すことが必要です。社外秘と言って出さない会社もあります。

社外秘にするかしないかは経営陣の考え方次第ですが、採用力を高めるためには、仕事をする意義を考え、やりがい・働きやすさだけでなく、ちゃんと報酬を評価されるからやりがいがあるのであって、ちゃんと報酬が上がるプロセスがあるから、働きやすいということを理解しなければなりません。
コミッションや歩合で報酬が出る会社もあるでしょうが、多くの会社が決まった給与額で昇給も年1回、ボーナスは年2回などと決まっているでしょう。

退職する理由の大きな理由の一つが報酬の低さです。報酬が高ければある程度の事には目を瞑ることもできますが、低ければ負の連鎖が働きます。
しっかりとした評価制度を定め社員への対価をしっかり払う会社であると説明できるようにしましょう。

5 競合他社との比較がしっかりできているか?

候補者は、業界を絞って仕事を探していることが多いです。
サービス業なのか?販売会社なのか?工場なのか?他社に良い人材を引き抜かれないように、他社をベンチマークして給与だけでなく、トータルで自社がすぐれていることをPRできる材料を持っておくべきでしょう。
他社にないものは何か?他社に合って自社にないものは何か?その他社にあるものが自社にはないが、どうやっていくのか?ないものはない!ではなく、なぜないのか?

例えば、社員寮は不要だと思っているからありません。
社長の考えが、社員は男女問わず、稼ぐようになって、一国一城の主になってほしい。
と思っています。
社員寮があるとそこに住んでしまう!という考えです。

その代わり住宅手当を出しています。
「住宅手当をもらっていない方には、その分社員に給与で還元します!」
といったように、説明できる情報をしっかり取り、分析して理路整然と当然候補者は比べています。

6 入社後に社員が不安にならないようなサポートをしっかりしているか?

採用力を高める=いい人材を取る=入社後にすぐ辞めない即戦力にする につながってきます。

入社したから、あとはそこの部署におまかせ!では、採用力が高まったとはいえません。

入社前後のギャップはどうだったか?
入社までの採用担当者のケアはどうだったか?
新入社員が入社したらすぐに次の採用に取り掛かるのではなく、まずは社内で採用力を高めるために過去の反省、改善できるところがないかを議論して、同じ失敗をしないようにすることです。
大きく変えなければならないことは、経営陣に上申して変えていくことをしなければなりません。

7 自社の将来のビジョンを採用者が理解していて情熱をもって伝えられるか?

採用担当者が自社について知らないことがどれだけ採用力を落としているか?はお知らせしたとおりです。

企業がどのような人材が欲しいのか?採用担当者がしっかり理解できていますか?

ただ作業者が必要だから補充するということであれば、採用力は必要ないでしょう。

勿論人間ですので、好き嫌いはあります。
採用担当者と候補者が以前から知っていて、密な関係であれば人となりもわかるでしょう。
たいていは1~2回顔を合わせただけ、最近はWEBで会っただけということも多いでしょう。

候補者目線で考えて頂けるわかりますが、仕事を決めるということはこれからの人生の30%以上は関わってきます。
24時間で8時間労働だとしても30%、通勤など考えると50%くらいになる大切な決断です。
採用担当者は他の候補者もいると思いますが、その候補者は1人しかいません。
その候補者がこの会社に決めたい!と思えないと、良い人材は自社に決めてもらえません。

素晴らしい人材の候補者は、他社からも同じような評価をうけているケースが多いです。
その候補者が、自社を選んでくれるには、一緒に会社を大きくしていきましょう!や、一緒に創り出していきましょう!や、やりがいというか、この人(採用担当者)と一緒に仕事をしてみたい!などと思えるようにすると採用力は大きく高まります。
そのためには、採用担当者が会社の方向性を理解し、情熱をもって伝えることが大事です。
素晴らしい候補者が、同じような条件の会社を選ぶ際、結局はその採用担当者の事をいいと思ってくれるか?人間なのでその要素は大きいです。

まとめ

採用力を高めるポイントは採用者の社員教育であると考えます。

企業にとって人は人材ではなく人財と考えています。
結局、人が人を取るわけですし、人を取る人=採用者が①~⑦を最低でも理解していなければ、良い人材を見落とし、良い人材から逃げられてしまいます。

採用力というのは、色々な記事・考え方などロジックがあります。
しかし、ここで大切なのは採用する人がだめだから良い人が取れないということです。
採用する人をダメにしているのも会社であり、採用者がダメな人を取るようにしているのも結局は会社です。

会社=経営者です。
しっかりとの自社のメリットを教育、指導できていない経営者の責任なのです 。
人事の部署が総務とか庶務と同じになっている会社が多い=それだけ人事を軽んじているということの表れです。
大企業であれば人事の数も多いため、部になっていることも多いですが、会社がしっかりとした人事計画を持っていること。
小さい会社であっても人事のスペシャリストを育成していくことが必要です。

どんな大企業であっても、数人の小さな会社であっても、会社のことをしっかり理解している採用者はいい人材が取れています。
経営者が社員に寄り添い、しっかりと教育説明をしている会社は社員の理解度も高く、発言に迷いがありません。
採用力は、社員の質とイコールなのです。