転職者の動向から考える中途採用に最適なタイミングとは?

新卒採用のように入社時期が決まっていない中途採用は、どのタイミングで採用活動を行うか悩んでしまう企業も少なくありません。

中途採用の採用活動には求人活動が活発な時期と静かな時期と、年間を通して波があります。

求職者も企業も、こうした求人市場の流れを知ることで、双方が納得のいく採用活動を行う事につながります。

今回は市場における転職活動の波を見ながら、中途採用にベストなタイミングについて、ご紹介していきます。

中途採用市場は波がある

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中途採用市場は企業の長期休暇や繁忙期などの影響で、採用活動が活発な時期と静かな時期があります。

 大きく分けて活動の波は次の様になっています。

  • 中途採用活動が活発な時期:1月~3月、6月~7月、9月~11月
  • 中途採用活動が静かな時期:4月~5月GWまで、8月、12月

なぜ、中途採用活動が活発な時期と静かな時期が発生するのか理由を見ていきましょう。

・中途採用活動が活発な時期

1月~3月は企業も求職者も採用・転職活動が活発になる時期です。

理由は年末年始の長期休暇が明け、区切りの良い3月末までに退職を考える求職者が多くなるためです。

企業側も3月で決算期を迎えるところも多く、新年度の4月になりますと、企業が配置転換や新入社員の受入などで忙しくなるため、その前に中途採用者の採用を済ませておきたいと考えるため、求人が増える傾向にあります。

6月~7月は夏のボーナスをもらって退職したい、秋に向けて転職を考えたいといった転職層が動き出す時期になります。

企業側も秋以降の下半期に向け、転職層を取り込みたいという思いから、求人を出す企業が増えます。

9月~11月は年末年始の繁忙期を前に、転職したいと考える人が増える事や、企業が下半期の活動に備えるため、12月の年末に発生する退職者や人事異動などで発生する人で不足を補充するため、中途採用活動が活発になる時期です。

・中途採用活動が静かな時期

中途採用が静かになる時期は、8月の夏季連休や5月GW、12月~1月の年末年始といった長期休暇がある月や、新入社員が入社する時です。

長期休暇があると面接の日程調整や、選考に時間を掛けることも難しくなります。

また、4月~5月GWに掛けては人事異動や組織変更、新入社員が入社する時期なため、中途採用まで手が回らないという理由から、企業が求人を控える時期です。

中途採用活動に最適な時期

中途採用市場全体で見た場合、この時期がベストというよりは企業や業種、募集内容により、1つ1つ異なります。

採用活動が活発な時期、静かな時期に求人を出すにはそれぞれメリット・デメリットがありますので、それを踏まえた上で求人を出すのがベストな時期と言えるでしょう。

中途採用活動を出す時期ごとのメリット・デメリット

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中途採用は求人を出す時期によってメリット・デメリットがあります。メリット・デメリットを理解したうえで、求人を出すようにしましょう。

求人活動が活発な時期

メリット
・求人が集まりやすい
・期の区切りの時期なので、入社のタイミングが計りやすい
・複数の人数を一度の採用しやすい
デメリット
・自社の求人広告が埋もれてしまう
・面接辞退や内定辞退が起こりやすい
・選考に時間や労力が掛かる

・メリット

採用市場全体が活発な時期は転職希望者が動きやすい時期なので、求人を出せば母集団は形成しやすくなります。

また、年末や年度末といった期の切り替わりの時期は、入社のタイミングが計りやすく、企業にとっても転職者にとっても都合が良いという利点があります。

求職希望者が集まりやすいので、一度の求人活動で複数の人数を集めるのに適しています。

・デメリット

市場全外で求職活動が活発という事は他社でも人を募集しており、競争率が高いことになります。

そのため、求人を出しても求職者の目に止まりにくい、選考が他社と被れば面接辞退や内定辞退という事が起こりやすい状況でもあります。

また、求職者が多く集まり過ぎれば、選考に時間や労力を要すること繋がります。

・活動が静かな時期

メリット
・競合他社が少ない
・面接辞退や内定辞退が起こりにくい
・優秀な転職潜在層と出会える可能性がある
デメリット
・必要な人材が集まらないリスクがある
・求職者一人に企業からのアプローチが集まりやすい
・休暇前後で面接や選考の日程調整が困難になる

・メリット

他社が求人を出すのを控える時期なため、自社の求人が求職者の目に留まりやすくなります。

また、求職者が他の企業との面接が被ることが少なくなるため、面接辞退や内定辞退といった事が少なくなるでしょう。

その他にも、繁忙期は仕事に忙殺されていた優秀な人材が、長期休暇を使って転職先を探し、転職活動をすることもあり、プロフェッショナルな人材と出会える可能性もあります。

・デメリット

転職希望者が繁忙期であれば、転職活動を控えるため、求人広告を出しても、人が集まらず、必要な能力を持つ母集団が形成されないリスクがあります。

また、必要なスキルを持つ人材は複数の企業から注目されやすくなるため、他社と競争になる可能性もあるでしょう。

長期休暇と重なると、応募者や採用担当者との日程調整が難しいケースも出てきます。

採用時期に応じて競合他社と差をつける戦略方法

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優秀な人材を採用へ導くには採用時期ごとの特徴を理解し、競合他社と差をつけなければなりません。

採用時期に合わせた採用戦略について、見てきましょう

採用活動が活発な時期

ポイントは次のようになります。1つずつ見ていきましょう。

・求人数が増加するため求める人材が集中する場所に的確に求人情報が届くようにする
・自社の魅力を高め、情報発信する

・求める人材がアクセスする媒体にピンポイントで求人広告出す

採用活動が活発な時期は転職者も転職したいという強い意志を持って活動している事が多いですが、その時期は求人広告を出している企業も多く、求職者の目に留まらなければ何もなりません。

求めるスキルや経歴がはっきりしているのであれば、専門の求人サイトを利用する、求人広告の頻度を上げる等、他の会社よりも目立つな工夫が必要です。

・自社の魅力を強化する

せっかく求職者の目に自社の広告が入っても、他社と比べて自社の魅力が伝えきれなければ、求職者は他社へ興味を移してしまうでしょう。

また、入社後に広告との違いがあれば会社に対する不信感につながり、早期退職ともなりかねません。

まずは自社の魅力はどんなところなのか見極め、自社ならではの強みをアピールできるようにしてきましょう。

採用活動が静かな時期

採用活動が静かな時期のポイントは次のようになります。

・求める人材が集中する場所に的確に求人情報が届くようにする
・自社の魅力を高め、求職者に届く情報発信する

・スカウトやリファラル採用など転職潜在層へ直接アピールする

採用市場が落ち着いている時期は、裏を返せば転職者が環境を変えることに消極的になっている時期です。

こうした時期は、費用や時間を掛けて広く求人広告を出すよりも、求める人材に直接声を掛けてアピールした方が、成功しやすいでしょう。

・選考時のスケジュール調整に注意する

採用活動は面接や選考などある程度の時間と労力が掛かります。

長期休暇前や繁忙期などに採用活動が重なってしまうと、担当者が長期休暇に入ってしまい、面接の日程が取りにくいなどの問題が発生しやすくなります。

面接の日程調整やスケジュール調整などを考慮しながら、求人を掛けるようにしましょう。

業種別採用活動の違い

企業によって採用に適した時期は違いがありますが、業種別によってもベストな時期は異なります。

主に人員が不足しがちな業種、採用活動が活発な業種の動向についてまとめました。

・情報処理・ITエンジニア

経済産業省から発表されたDX推進に向け、各所でIT関連や情報通信の発展の必要性が叫ばれており、技術者の獲得に企業も力を入れていますが、技術の発展が目ざましく、常に慢性的な人材不足となっています。

そのため、年間を通して常に求人がある状態ですが、一般的な中途採用市場と同様に決算期や新入社員入社前の2月~3月の時期が繁忙期、外資系の企業では、10月~12月がベストなタイミングと言われています。

外資系企業では、会計年度の区切りを1月~12月にしている企業も多く、新年度前の10月~12月くらいが採用活動の活発になる時期です。

・建築業、施工管理業

転職に掛かる期間はだいたい2か月~3か月と言われています。建築・土木業では、公共事業や一般工事が集中しやすい時期を避けて、採用活動が活発になる傾向があります。

一般的な中途採用市場と同様、会計年度が切り替わる前の2月~3月、夏季賞与が出たあとの8月~9月が、採用活動の活発な時期です。

建築業、施工管理業では、慢性的に人手不足となっている傾向があり、大手企業では採用時期がある程度決まっていても、中小企業では、人員募集が不定期に行われる、長期間募集が掛けられているケースもあります。

・営業関係

人の流動が多い業種で年間を通じて、求人がありますが、繁忙期前に特に求人が増える傾向があります。

繁忙期に備えて、繁忙期の2~3か月前から採用活動が活発になります。ボーナス支給後に転職を行うため、ボーナス支給前2~3か月前から求職活動を始める人が増加する傾向があります。

中途採用活動の流れ

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中途採用活動の流れに付いて解説していきます。

期間は応募準備から内定まで、おおよそ2か月掛かるのが一般的です。

中途採用者では他社に勤務中の方も多いため、引継ぎ等がありますので、退職時期を見極め、動くようにしましょう。

・求人前準備1週間~2週間前

転職サイトやSNS、ハローワークなど求める人材が集めやすい方法の中から、掲載する媒体を決定します。

掲載用の内容を作成や転職サイト等であれば、担当者と掲載内容について何度か打ち合わせします。

・人員募集、書類審査、面接 1か月

募集媒体や募集要項の内容が決定したら、実際に広告を出し、人を募集します。その後集まった人の中から書類審査、面接等を順番に行い、奮い分けをしていきます。

・内定を出す

応募してきた人の中から内定者を決定します。
在職中の方ですと、引継ぎ等がありますので、早めに内定を出す必要があります。

また、内定辞退ということも考えられますので、面接時に応募者の志望動機や他にも応募している企業の有無を確認しましょう。

中途採用活動における注意点

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中途採用活動における注意点について見ていきます。

入社日から逆算して募集を行おう

転職者は前職で勤務中であるケースも多く、退職時期を考慮する必要があります。退職が決まりますと、一般的には引継ぎなどに1か月を要する事が多く、内定から1か月以上見込んだ方が安心です。

入社して欲しい時期から、逆算して採用活動を開始するようにスケジュールを組みましょう。

急な人員不足は時期に関わらずスピーディに対応しよう

何らかの理由で急に人を採用する必要がある場合があります。
そのような場合は、すみやかに採用活動を開始しましょう。

人員不足が長引きますと、在席中の労働者の長時間労働に繋がり、残った社員のモチベーションの低下により、さらなる退職者の連鎖を引き起こす可能性もありますので、時期に関わらず、採用活動をスタートさせます。

定期的に活動内容の見直しをしよう

中途採用を定期的に行っている場合、採用者の定着率や貢献度など見てみましょう。採用市場は目まぐるしく変化しています。

事業内容の状況に応じてマッチする人材が集められているか、トレンドとなっている媒体は何なのか、採用市場の動向と自社の採用活動について見なおしてみましょう。

まとめ

今回は転職者および企業の動きから見た中途採用市場の流れと、採用活動のベストなタイミングについてご紹介してきました。

中途採用市場は、活発な時期と落ち着いている時期と波があり、どちらの時期に活動を行ってもそれぞれメリット・デメリットがあります。

中途採用市場の一般的な流れはありますが、最適なタイミングは企業ごとに異なり、採用市場の状況を見ながら、採用方法を見極めていくことが大切です。

中途採用に悩む企業は、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい。


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