採用イベントの効果 種類や出展のメリットを知ってブランディング効果を高める

少子化の影響で、新卒採用の競争が激しくなる中、各企業さまざまな方法で、新入社員を獲得しようと努力しています。

自社に興味を持ってもらい、採用へと繋げていくには、応募者が来るのを待っているのではなく、魅力的な企業づくりと共に、多種多様な方法で学生にアピールしなければなりません。

今回は、採用手法の一つである、新卒採用のイベントの特徴や成功へと導くポイントおよび効果についてご紹介していきます。

新卒採用イベントの目的

新卒採用の最終的な目的は、自社へ応募してもらう事です。
自社を理解してもらい、マッチする人材に応募してもらう事が大切です。

では、新卒採用イベントを行う目的3点について見ていきましょう。

・自社アプローチのため

第一の目的として、就活生に自社を知って貰わなければなりません。
新規事業やベンチャー企業などで、知名度が低い場合、新卒採用イベントは、自社を認知してもらえるアプローチのために、イベント開催し、多くの人に宣伝をする必要があるでしょう。

認知度それなりにある企業であっても、実際にどのような作業をしているのか、外からでは分からない情報がたくさんあります。

企業名や企業内容をある程度認知してもらっている場合、もっと興味を持って貰うようにします。
主な業務内容だけではなく、企業風土に続いて、新規に検討している事業内容などを紹介します。

イベントの種類としては、就職説明会などがこれに該当するでしょう。

・マッチング率アップのため

続いての目的としては、自社の希望にマッチする母集団を形成する事です。
ある程度知名度があり、一定の人数の募集が見込める場合、自社の企業風土や業務内容に合致する学生と、つながりを持つ目的で開催されます。

業界や業務内容に関連する内容について、話し合ったり、勉強をしたりする会を開き、業務内容に興味を持つ参加者と交流を深めていきます。

交流会などで、興味を示してくれた、もしくはもともと事業内容や業種に興味を持つ学生には、インターンシップの連絡や、選考への案内など応募へと繋げていきます。イベントの種類としては、交流会などがこれに該当するでしょう。

・学生早期獲得のため

イベントを通じて、会社を認知してもらう、出来るだけ自社にマッチする学生を集め、母集団形成を作ることが出来たら、その中から、優秀な人材やマッチ率が高そうな学生には、他社への採用を決めてしまう前に、早急に交流を深め、内定へと繋げていかなければなりません。

特に人手不足になりやすい業種や、就業場所が人の集まりにくい勤務地、新規事業などでは、他の競合他社に流れてしまわないよう、短期間でイベントを行い、学生と早期に接点を持つ目的で行います。

新卒採用イベントを成功させるポイント

新卒採用イベントは、準備に時間や工数が掛かりますが、成功すれば学生にとっても企業にとっても有意義な業務です。

成功させるためには、次のポイントに注意しましょう。

・自社の状況を正しく知ろう

新卒採用イベントには、多くの種類があります。
まずは自社の状況について正しく知っておく必要があります。

認知度が低い、例年応募が定員に満たない、採用者は出ているがなかなか業績に結び付いていない、またはここ数年新入社員が定着していないなど、採用における過去の結果などを見ていきます。

その他、競合他社や採用市場など、客観的な要素も大切です。
自社の状況や業種全体の採用市場、世界の経済状況なども含め、まずは自社の立ち位置や状況について、しっかり把握しましょう。

・自社に合致する新卒採用イベントを選ぼう

採用活動には、費用や工数が掛かります。ただし、費用を掛けたからと言って、必ずしも成果に結びつくわけではありません。

例えば、募集を掛ければある程度人数が集まる企業や業種では、大規模な募集を掛けてしまうと、選考時に多くの時間と費用を要してしまいますし、特定の業種や勤務地のみ人が集まりにくいのであれば、その業種や勤務地に絞ったイベントが有効でしょう。

自社の状況について、しっかりと把握出来たら、費用や工数と得られる効果について、どのようなイベントを行えば良いのか決定し、準備を進めていきましょう。

・複数のイベントを組み合わせよう

採用イベントには複数の種類があります。時間や人員が掛けられるのであれば、別のイベントと組み合わせて行うことで、また違うタイプの応募者の目に留まり、マッチする人材が集まる可能性が高まります。

例えば、認知度が低い場合、場所を変えて大規模な会社説明会など数回行う事も有効でしょう。

ですが、募集する職種や開催時期など、状況に応じて、事業内容や今後検討している新規事業に興味を持つ学生をターゲットに、少人数で行う交流会など、趣向を変えたイベントを行えば、違う種類の学生と接点を持つことが期待できます。

イベントに参加した参加者の中から、マッチする学生がいた場合、今後の選考を優先的に案内するなど、場所や採用市場の動向、予算などを考えながら、複数のイベントを行う事で、よりマッチする人材を採用へと繋げやすくなります。

・現場社員の意見を取り入れよう

就活生がもっとも不安に感じているのは、入社後にどんな業務を行うのか、自分が仕事について行かれるか、相談相手の有無など、業務に関する事や職場環境でしょう。

そこで、採用イベントには、現場社員を同席してもらうことや、現場社員の意見を取り入れた内容にします。

仕事内容や環境が詳しくわかることで、入社後の生活が想像しやすくなり、業務内容に興味を持ったり、自分に合う職場環境を知ったりすれば、学生の応募してみようという気持ちも強くなるでしょう。

PCDAサイクルで振り返りと改善をしよう

採用イベントは1回行ったら終わりではありません。
今回行ったイベントの集客数や反応、入社へ繋がった割合、入社した社員の成果などを分析しましょう。

イベントの参加者が少ない、反応が悪い、イベントを通じて入社した社員に思ったような成果が出ない場合、もしかしたらイベント内容が会社の状況に合っていないのかもしれません。

振り返りを行い、内容を改善する、イベントの種類を変更するなど、状況や情勢をみて定期的に改善していきましょう。

新卒採用イベントの特徴

採用イベントを行うのは、学生と接点を持ち、お互い理解を深めつつ採用へと繋げていく事を目的としています。採用イベントには、多くの種類があり、コロナ渦においては、オンラインで開催する企業が急増しました。

緊急事態宣言から3年経過した後では、徐々に対面を再開する企業も多く、オンラインを取り入れつつ、各企業独自方法で、採用イベントを開いています。

新卒採用では、ほとんど社会人経験のない学生に対し、職場環境や仕事内容など、分かりやすく説明するために開催されます。

採用イベントの種類

新卒採用のイベントには、たくさんの種類があります。
自社に合ったタイプを利用してみましょう。

・インターンシップ

近年よく注目されているのがインターンシップです。
インターンシップとは、いわゆる職場体験のことで、実際に会社の業務に携わり、職場環境を肌で感じる事ができます。

インターンシップが行われるのは、卒業年度の前年の夏休み(大学3年生の夏休み)が多く、次に多いのが秋頃です。

日程は1日、2日の物から1週間くらいのケースもあります。
人気のある企業では、インターンシップの応募が殺到し、受けられない学生も多くいます。

企業から見ても、学生の勤務態度や、仕事に対するマッチ度などを見る事が出来ます。
インターンシップ参加者だからといって、必ずしも採用へとつながっている訳ではありませんが、勤務態度が良い場合など、企業担当者から直接声が掛かり、早期採用へとつながっているケースも考えられます。

・合同説明会

大きな会場を借り、他社と合同で開催する合同説明会です。
ブースごとに仕切られ、参加した学生と直接担当者が話をし、パンフレットや資料などを元に会社について説明し、企業に興味を持って貰ったり、他のイベントを紹介したりして採用へと繋げる方法です。

多くの学生の目に留まりやすいですが、ブースが狭い、志望度が低い学生が来る可能性もあります。

・単独会社説明会

自社で行う会社説明会です。自社の会議室などに就活生を集め、自社について紹介する方法です。

自社や業種に興味のある学生などが参加しやすいため、志望度が高い学生が集まる可能性高いでしょう。

自社㏋や公式SNSで採用情報を出したり、合同説明会や学校訪問で興味を持った学生を集めたりして、自社の会社説明会へ参加してもらう場合もあります。

・学校訪問

大学や専門学校へ出向き、会社説明をする方法です。
特に専門性の高い業種では、学習内容に関係のある学校へ出向き、早めに学生と接点を持ち、早期に採用へと繋げることを目的としています。

・セミナー

テーマを決め講演会を開き、内容に興味を持った学生を集める方法です。
業務に関係のあるテーマを決め、興味のある人たちを集め、セミナーや講習を行います。

業務に関連する内容に興味を持つ学生たちを集める事が出来るので、自社に合う人達を多く集められるメリットがあります。

・交流会や座談会

少人数で、主催者と参加者の交流を目的として、行われる方法です。カジュアルな雰囲気の中で行われ、お互いリラックスした雰囲気の中、開催されることが多いでしょう

交流会では、主催者である会社の人達が一方的に話すのではなく、参加者とコミュニケーションを取りながら、進行していきます。

その際に、参加者が質問や疑問点を聞く、反対に主催者側も参加者である学生に質問をし、コミュニケーション能力や物事に対する意欲を判断する事が出来ます。

採用担当者だけではなく、現場社員が参加すれば、より内容の充実した話し合いになるでしょう。

参加者の中で、主催者側が採用候補者として交流を持ちたいと思う学生には、直接コンタクトを取り、選考への案内を優先的に案内する事もあります。

イベントの成功には企業のブランディングにも力を入れよう

新卒採用イベントは、将来を担う学生に出会うため、行われる大切な業務の一つです。
ただし、イベントの内容が素晴らしくても、実際に入社したのち、募集時に聞いていた話と入社後の内容に大きな相違があれば、意欲が半減したり、成果が出にくかったりして、結果的に早期退職へとつながってしまうかもしれません。

採用イベントに力を入れる事も大切ですが、それと同じく、学生の方からぜひ入社してみたい、とてもいい会社に入社出来たと、社員が感じられるような企業づくりを行っていくことも大切です。

業務内容の充実と発展と共に、福利厚生や柔軟な働き方の導入など、魅力ある会社にしていきましょう。

まとめ

今回は、採用手法の一つである採用イベントの特徴やポイントについてご紹介してきました。

採用手法には、さまざまな種類があり、企業の認知度や希望する職種、競合他社や採用市場などを元に決定していきましょう。

また、複数のイベントを組み合わることや、振り返りなどを行い、過去に効果の見られなかったイベントは別のイベントに変更するなど、状況に応じた改善も必要です。

採用手法に悩む企業は、この記事を読んで参考にしてみて下さい。