【アイデアで差をつける!】ユニークな採用を行っている企業まとめ


少子高齢化により売り手市場が続き、各社で人材を確保するため、さまざまな方法が生まれています。

費用と労力を掛けて採用活動を行いたいものの、コストにも人員にも限りがある中小企業では、特に人員確保が厳しい状況が続いています。

そのような中、工夫を凝らし、採用活動を行っている企業があります。

今回は、アイデア満載のユニークな採用方法をご紹介致します。

ユニーク採用方法が生まれた背景

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厚生労働省が発表した2022年7月の有効求人倍率は1.24倍で、前月と比較すると0.01ポイント増加と、わずかに増加している状況でした。

有効求人倍率が上がっているという事は、求職者に対し、求人が上回っているという傾向が見て取れます。

ユニーク採用は、人材の獲得競争が激しくなる中、求人広告を出してもなかなか人が集まらない、応募が来ても求めるスキルを持った母集団形成が難しいという状況の中で、各企業が生み出したアイデアです。

特に、大企業のように、採用活動にコストや人員が掛けられない中小企業は、他とは違う方法で注目を集め、企業の知名度を上げる工夫が必要となり、ユニークな採用方法が生まれることになりました。

ユニーク採用のメリット・デメリット

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アイデアあふれる採用方法は、注目を集めやすく幅広い面から応募者を集めやすい反面、仕事とのマッチ度が不安な面もあります。

応募者が採用方法のユニークさばかりに意識が行ってしまい、業種や業務内容を理解しないまま応募してしまうと、早期退職などにつながってしまいかねません。

ユニークな採用方法の導入を考えている場合は、メリット・デメリットをしっかりと理解した上で行いましょう。

・メリット

ユニークな採用方法のメリットについて見てきます。

① 企業の独自性を出せる

メリットの一つとして、企業ならではの独自性が出せる点です。技術職や技能を必要とする企業では、履歴書など書類選考では判りにくい、求職者の実力を判断できます。

また、ランチ会や飲み会などの面談は、応募者の“素”の部分が出やすいので、応募者の人柄が出やすく、コミュニケーション能力などの判断にもつながるでしょう。

② 話題性を作り知名度を上げる

他と違う採用方法だと、珍しさや新しさから、求職者はもちろんのこと、SNSやメディアなどで取り上げられることもあり、企業が注目を浴び、知名度をあげることが出来ます。

特にSNSは、拡散力が強いので、SNS上で話題になると、一気に広まり、より幅広い人に企業を知ってもらえるキッカケにつながるでしょう。

③ 幅広い求職者を取り込むことが出来る

ゲームや絵の上手さが選考の基準となる、ユニークな採用方法を行うと、話題性から多くの人の目に留まることになり、異業種の方や、通常の選考方法では関心を持って貰えない方からも、思いがけず応募に繋がり、採用となり、新しい業種へのチャレンジの懸け橋となる可能性もあります。

・デメリット

ユニーク採用は、話題性があり、自社を幅広い人に知ってもらえるメリットがある反面デメリットもあります。つづいてデメリットについて見ていきましょう。

① 遊び半分で応募してくる求職者がいる

 ユニークな試みが話題を呼び、広く知られるようになると、一般的な選考ではハードルが高く、応募を躊躇う応募者でも、応募できる機会が増えます。

一方、業種や事業内容に興味が無いのに、応募方法の目新しさや珍しさから、とりあえず応募してみようという、遊び半分で応募している人もいるでしょう。

遊び半分で応募してきた人が選考に通過してしまうと、その後内定辞退などにつながり、再度採用活動のやり直しなど、手間が増える原因となります。

② 選考判断が難しくなる

従来の採用方法だと、選考基準があり、基準に基づいて選考が行われますが、ユニーク採用ですと、選考の基準が応募者にも採用担当者にも、分かりにくくなります。

判断基準が分かりにくいと、選考に時間が掛かる、採用結果を不服とする応募者とトラブルになるなど、問題が起こりやすくなるため、注意が必要です。

③ 企業に魅力が無ければ一時的な話題性で終わってしまう

ユニークな採用法が話題になり、SNSなどで拡散されると、知名度は格段にUPします。知名度が上がり応募者が増えても、企業に魅力が無ければ、話題性もすぐに終わってでしょう。

ユニークな採用方法をキッカケに会社を知った人が、ぜひ入社したい、こんな会社で働いてみたいと感じさせるように、話題性だけではなく、入社した人が長く勤めてもらえるように、魅力ある会社作りを忘れてはいけません。

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ユニーク採用10選をご紹介

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続いて、実際にユニークな採用方法を行っている企業を10社ご紹介致します。

・株式会社カヤック「いちゲー採用法」

ゲーム開発会社である株式会社カヤックでは「ゲームの上手さ」が選考基準です。新卒・中途・インターンすべてが応募対象で、通年採用を行っています。

エントリー方法には3つのコースがあります。一つ目は、ゲーム内で獲得する事がとても難しいと言われるプラチナトロフィーを持っているだけで一次選考免除となる「プラチナトロフィー選考」、二つ目は、一番やりこんだゲームや攻略法などを記入する「ゲーム履歴書選考」、3つ目は用意されたゲームをみんなで攻略し、そのプロセスで選考する「協力プレイ選考」があります。

ゲーム内での問題解決能力や発想力を見ることで、その人のビジネススキルを判断する「いちゲー採用法」がユニークということで、話題になっています。

・株式会社サーチフィールド「絵ごころ採用」

絵ごころ採用を取り入れている企業です。GIGUGASと呼ばれるイラストソーシングサービスに力をいれており、イラスト制作クリエイターとクリエイターを必要とする企業を結びつける業務を主に行っています。

そのため、グラフィッカー職に必要とする制作能力を図るため、履歴書は不要、書類選考はポートフォリオのみで、面接も2回までとなっており、応募を簡単に、よりスピーディーに選考を行う体制をとっています。

・株式会社東京一番フーズ「極め人採用」

魚の養殖や加工、流通から販売までの水産業6次産業を展開している企業です。水産業を極めた同社では、応募者が何か1つ”極めている”ことが選考の基準になる「極め人採用」を取り入れています。

自分が“極めていること”についてプレゼンした資料を、応募先に送ります。選考が通った方の中には、一次面接や二次面接を飛ばし、社長と面接を行うケースもあります。

その他にも“極上面接”、“極ターンシップ”があり、同社が目指す、“極める”ということにこだわりを持っています。

“極上面接”は、最終面接者の中から希望する人に対し、極上レストランでおもてなしをしながら行われる面接です。“極ターンシップ”は、超ローカルである生産元と、超グローバルである流通先の両極端を体験できるということで、話題を集めています。

・三幸製菓株式会社「日本一短いES

新潟に本社を置く、大手おせんべいメーカー三幸製菓株式会社も、ユニークな採用方法を取り入れています。

同社では、採用方法の課題の中で、採用を効率的に行う方法として、日本一短いESを導入しています。

採用の流れとして、まず“おせんべいが好き”と“新潟で働ける”というYES/NOで回答できる基本的な質問に続き、「日本一短いES」である連絡先であるメールアドレスを尋ねます。その後、独自に開発された35個の質問、カフェテリア採用、最終選考と進んでいきます。

合理的な質問で適性を早期に判断し、採用から育成までのつながりを大切にした採用活動を行っています。

TAKEUCHI株式会社「いつものあなた選考」

水周りや空調、エネルギーや家のリフォームなど、住環境に関するサービスを行っている会社です。

「いつものあなた選考」とは、普段のあなたのありのままの姿を見たいという選考方法で、“スーツ着用禁止”“面接場所はいつものあなたが表現できる場所”などいくつかルールがあります。(自宅やアルコールはNG)

面接時には“ダイアログシート”と呼ばれる資料の質問への回答が必要で、2次面接後、合否に関わらず、シートの回答内容から判断し“あなたの強みや特徴”を伝えてくれます。

そのため、たとえ同社と縁が無かったとしても、シートの回答内容を今後の就活や社会人生活に役立てることが出来ます。

・ソフトバンク「№1採用」

全国大会で1位を取れる実績とその過程を評価する採用方法です。テクノロジー、ビジネス、アカデミック、クリエイティブなど幅広い分野の中で、全国大会1位を取れる実績とその過程で評価します。

№1をとれる実力とプロセスは大きな価値があり、その実績とこれまでのプロセスを会社でどのように活かせるかで判断します。

選考の流れは、№1の実績と、その取り組みがわかるような自己PR動画を作成して提出し、選考に通過後、複数回の面接で合否を判断します。

・株式会社IBJ「アスリート採用」

株式会社IBJは大手婚活サービスや結婚式の段取り、その後の人生設計プランなどを展開している企業です。

「アスリート採用」は、スポーツで培った精神力は、仕事やこれからの人生にも活きる、という考えからスタートしました。本気でスポーツに取り組む人を応援したいという理由から、ウエアの支給や遠征費の費用負担など、充実したサポートがあります。

応募資格は、競技内容を問わず、障害の有無も関係なく、学歴不問で、大会出場実績のあるアスリートの方となります。

・チームラボ株式会社「オンラインプログラミング採用」

スマホ用アプリの開発や空間演出、映像制作、インテリアデザインなどを手掛けている会社です。WEBデザイナーやUIデザイナー、アート展示プランニングなど、デザインや空間演出の制作など、専門の知識を持つ技術が求められます。

同社では、エンジニアリングのテクノロジー職を対象とした、「オンラインプログラミング採用」を行っています。

選考には、書類選考はなく、プログラミング経験の有無を問わず、新卒・中途を問いません。選考の流れとしては、1時間以内に次々に出される出題にプログラムで回答します。回答した成績で次のステップ進行の有無が決まります。

・サンボウズ株式会社「複業採用」

サンボウズ株式会社は、組織で情報共有するためのITツールであるグループウエアの開発、販売を行っている会社です。

ライフスタイルの変化や働き方の多様化により、本職とは別に副業を持つという働き方にも注目されるようになってきました。

自社に籍を置きながら、他社で働くことに対し、会社資産を利用する以外は特に申請や承認は必要なく、複数の企業で働く事が可能な「複業採用」を行っています。

PayPay株式会社「オンライン完結型採用」

コロナ禍になり、採用活動にオンラインシステムを導入する企業は増えています。

スマートフォン決算サービスアプリで有名なPayPay株式会社ですが、企業の中心となるプロダクト部門について力を入れていくために、居住場所を問わず優秀なエンジニアを募集する必要がありました。

そのため、場所を問わずに、グローバルな求人活動が可能で、選考時に技術力(コーディング)が判断でき、スピーディーに選考出来る条件を必要としていました。

この条件を満たす方法として、HireVueと呼ばれるクラウド型のデジタル面接プラットフォームを導入し、完全にオンラインで採用選考が行えるようになりました。

まとめ

今回は、アイデアあふれるユニークな採用方法をご紹介致しました。

人材確保が激しさを増す中、遊び心満載の方法、専門知識や実績を選考基準とするなど、どの会社もさまざまな工夫を凝らし、他社との差別化を図るべく、アイデアを出して、独自のカラーを生み出しています。

求人広告を出しても人が集まらずに困っている企業は、一度自社の特色を生かした、ユニークな採用方法を試して見るのもいいかもしれません。

ユニークな採用方法を試して見たい、求人が集まらずお困りの企業は、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい。