採用面接における候補者への質問 ケースごとの質問例やNGな質問などをご紹介!

採用面接とは、候補者の中から、自社の条件に合う人物を採用へ導くための大切な業務です。

面接時に候補者に対し行う質問内容は、非常に大切です。さらに、面接の効果的なものにするためには、順序も重視しなければなりません。

今回は、採用面接における質問の流れ、ケースごとの例や、やってはいけないNG質問などを紹介致します。

採用面接の目的

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採用面接は、候補者へさまざま項目の質問を行い、回答内容や対応などから、企業に適性があるかを判断するために行われます。

面接官と候補者が直接対面し、会話を交わすことで、表情や声のトーン、話し方など、書類選考や適性検査では見つけられない、細かな人間性や特性を見る事が出来ます。

面接では、候補者の適性や能力を見るだけではなく、業務内容や待遇や福利厚生などの条件のすり合わせも行います。また候補者からの質問などにも回答し、企業と候補者がお互いを理解するための場でもあります。

面接の流れ

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面接では、さまざまな項目を候補者へ質問していきますが、限られた時間の中で、候補者が本来の自分をだせるよう、出来るだけ回答しやすい環境を作っていかなければなりません。

アルバイトや正社員、中途採用や新卒採用など、どのような面接でも、大まかな流れに対する考え方は同様です。

質問内容と共に、どのような流れで質問を行うがベストなのか、面接の流れについて見ていきましょう。

面接前半の流れ

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面接では、ほとんどの候補者が緊張している状態です。候補者の緊張をほぐし、場を和ませ、本題へと繋げていく導入部分です。

候補者が緊張したままですと、本来の姿や能力を発揮できず、残念な結果になったり、入社意欲が無くなったりしてしまう可能性があります。

本題へと繋げていくために、アイスブレイクタイムや企業紹介などあたりさわりのない質問で、候補者の緊張を和らげていきましょう。

・アイスブレイクタイム

アイスブレイクとは、直訳すると「ice break(氷を砕く)」と言う意味になり、ビジネスシーンでは、会議や面接などの開始時に、雑談や簡単なゲームなどを行い、氷を砕くように硬く緊張した雰囲気を崩し、なごやかな雰囲気を作る事を言います。

アイスブレイクタイムでの質問例や会話例を見て行きましょう。

質問又は会話例

① 本日はお忙しい中、面接に足をお運びいただき、ありがとうございます。
② 外の様子はいかがですか(暑さや寒さはいかがでしょうか)
③ 今日はどのような方法で会場へいらしたのでしょうか
④ 駅から会場まで迷われませんでしたか
⑤ 会場へ来るまでどのくらい時間がかかりましたか
⑥ 室内の温度は問題ありませんか(暑いですかもしくは寒いですか)
⑦ オンライン面接は初めてですか
⑧ オンラインの画面や音声は問題ありませんか(オンライン面接の場合)

・自己紹介や会社紹介

アイスブレイクタイムを5分程度設け、候補者が少しリラックスしてきたら、会社紹介を簡単に行い、候補者に自己紹介をしてもらい、面接官も同じく軽く自己紹介をすると良いでしょう。

会社紹介では、簡単に事業内容や沿革、今回の募集理由や募集項目などを紹介していきます。自己紹介では、面接担当者の勤続年数や趣味などの話をし、候補者が話しやすい雰囲気を作っていきます。

自己紹介および会社紹介例

① 弊社は〇〇年創業で□□という事業やサービスを長年手掛けており、今後事業拡大のため、△△分野の人材を募集しています
② 本日面接を担当する〇〇と申します
③ 簡単に1分ほどで自己紹介をお願いいたします

・履歴書や経歴書確認

簡単に自己紹介や会社紹介等で、緊張がほぐれてきたら、いよいよ履歴書や経歴書を確認し、本題の質問へと入ってきます。

履歴書の内容を確認し、趣味や学校など簡単な質問や確認から、新卒採用でれば最終学歴での様子、中途採用であれば、職務経歴書を元に前職の細かい業務内容や勤務状況、取得している資格があるならば、取得した経緯などを確認してきます。

質問例

① △△がご趣味だということですが、どのくらいの経験があるのですか
② 〇〇学校を選ばれた経緯について、教えてください(新卒)
③ 前職の〇〇会社に入社された経緯を教えてください(中途採用)
④ 前職での担当業務内容を教えてください(中途採用)
⑤ 学校生活の中(前職の業務)で、成果の出た出来事と、成果に対し行った努力の内容を教えてください
⑥ 〇〇の資格をお持ちですが、取得された経緯を教えてください。
⑦ これまでの経験の中で、最も努力した事とその結果について教えてください
⑧ 前職でのチームや体制を教えてください
⑨ 今回は〇〇の経験や知識を持つ方を募集しているのですが、〇〇のご経験や知識は
お持ちでしょうか

・志望動機の確認

自己紹介や経歴などについて確認が出来たら、続いて、志望動機について確認してきます。志望動機の回答を聞くことで、自社への入社意欲の高低を判断できるだけではなく、募集内容や条件が合致しているかの確認することが出来ます。

自社へ熱意を判断する上で大切な質問ですが、あまりにも前のめりになった姿勢や、熱心すぎる態度で質問してしまうと、候補者が怖気づいてしまう場合もありますので、柔らかい口調で確認するようにしましょう。

質問例

① 当社に興味を持った理由や時期などを教えてください。
② 当社に入社した場合、希望する業務内容について教えてください
③ どのような点を重視して当社に応募されたのでしょうか
④ 他に受けている業種や企業がありましたら教えてください
⑤ 当社の印象はどのような印象でしたか、実際に受けてみてどのように感じましたか
⑥ 入社後に実現したいこと、身に着けたいことを教えてください
⑦ 同じような企業がある中で、当社を応募した理由を教えてください
⑧ 当社の企業理念について感じたことを教えてください

面接中盤の流れ

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面接中盤に差し掛かると、仕事に関する考え方や適性およびコミュニケーション能力など、人間性を見ていきます。

面接の核となる部分ですので、慎重に確認していくようにしましょう。ただし志望動機の時と同様に、熱が入りすぎないように注意し、静かに高圧的な態度とならないように気を付ける必要があります。

・仕事に関する考え方や信条

仕事に対する考え方や、候補者自身の信条に関する質問です。今後仕事をしていくうえで、自社に適性があるか判断するための大切な質問です。トラブルが起きた時の処理能力、目標を達成するための向上心を持ち合わせているか、そのためにどのような努力をするのかを確認します。

近年は、ワークライフバランスが叫ばれ、仕事もプライベート同じように大切にしようという動きが見られており、若年層は特に自由時間を大切にしたい考えが強い傾向があります。

候補者が仕事に対し、どのような考えを持っているのか確認しておきましょう。

質問例

① 入社後に担当してみたい業務について具体的に教えてください
② 前職で目標達成に向け努力してきた内容は何でしょうか
③ 業務を行う上であなたが最も大切にしている事を教えてください
④ 前職ではどのようなポジションで働いていたのでしょうか
⑤ あなたにとって“仕事”とはどのようなものでしょうか
⑥ あなたが仕事上でモチベーションを保つ方法を教えてください
⑦ 転職活動をしようと思った理由を教えてください
⑧ 前職とは違う業種ですが、未経験業種・異業種に転職しようと思った理由を教えて
下さい。
⑨ あなたが希望する働き方を教えて下さい

・人間性や適性を見る

仕事に対する考え方同様、人間性や業務に対する適性を見てきます。営業職や販売であれば、人と会話する事が好きなタイプの方が向いていますし、同じ作業や細かい業務をコツコツ行うのであれば、工場のライン作業などが向いているでしょう。

また、決められた作業をミスなく行える慎重な性格であれば、事務的な作業に適性があると言えます。

その他グループ作業が向いているのか、個人で作業する方が向いているのか、業務内容や社風などでも向き不向きが決まってきます。

質問例

① グループで業務を行う際大切にしている事を教えてください
② 友人や知人からどのような人だと言われることが多いでしょうか
③ あなたの強みは何でしょうか、それは仕事上のどのような場面で活かせそうですか
④ 前職にて仕事でトラブルやミスをした際にどのように対処してきたか教えてください
⑤ 仕事以外の事で挑戦したいと考えている事があれば教えて下さい

・将来像に関する考え

将来像に対する質問です。候補者は、何らかの目標、目的があり入社を希望しています。その目標や目的が自社で実現可能なのかを聞いておき、実現の可否について面接時にハッキリしておきましょう。

実現が難しいことはしっかりと面接時に伝え、反対に目標が実現可能できそうな場合は、もっと掘り下げて聞いてみるのもいいでしょう。

質問例

① 5年後や10年後のキャリアプランについて教えてください
② 当社に入社後やってみたい業務は何でしょうか
③ 当社ではどんなことを目指したいですか、具体的に教えてください

面接後半の流れ

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面接の公判では、自己アピールや条件の確認、候補者からの質問に答える流れとしてきましょう。

・自己アピール

候補者にどんな強みがあり、採用するとどのような点でメリットがあるのか、貢献度やメリットをアピールしてもらい、選考の判断をします。

質問例

① 自分の長所や短所を教えて下さい
② あなたの強みは当社でどのように活かせそうでしょうか
③ 当社があなたを採用するメリットは何でしょうか。

・業務内容や待遇面、勤務条件などの確認

入社後に応募時の条件と違う、聞いていないという事にならないよう、面接時に業務内容や待遇面、勤務条件など、説明おきましょう。

面接は候補者と会社がお互いを理解し合う場所です。内定辞退や早期退職を防ぐために、面接時にしっかり確認しておくことが大切です。

質問例

① 希望勤務地が〇〇となっていますが、希望通りの職種に付けない場合もありますが、
その時はどうされますか
② 繁忙時に10時間ほど残業となる場合がありますが、問題ないでしょうか
③ リモートワークをお願いする可能性もありますが、自宅のネット環境に問題はないでしょうか。

・候補者からの疑問点や不明点の確認

面接の最後に、候補者から、今回の応募に関する疑問点や不明点についての質問をしてもらいましょう。

採用後の待遇や、働き方など不安な点を残さぬよう、尋ねるような雰囲気づくりをします。

質問例

① 聞いておきたいこと、確認して起きたことがありましたら、何でもお聞きになってください
② 最後に質問等があればお願いします

NG質問例をご紹介

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面接時に就業差別につながる恐れのある質問として、禁止されている質問があります。公正な採用判断が出来ない可能性につながる事があるだけではなく、候補者が不信感や不快感を感じ、会社の評価を大きく下げる結果となりますので、注意が必要です。

質問例

① 本籍や住所などに関する質問
② 家族構成や家族の職業、地位、収入に関する質問
③ 思想や宗教、尊敬する人物や政治に関する質問
④ 性別を理由にした質問(男女雇用期間均等法に抵触する質問)

まとめ

今回は採用面接における質問内容について、場面ごとにご紹介して来ました。
面接では流れに沿って質問を行い、候補者に適性があるかを判断していきます。

基本的に多くの候補者は緊張しているため、全体を通して落ち着いた口調で、緊張を解くような雰囲気の中で行う事が大切でしょう。

また、住んでいる場所や家族の職業、性別に関する質問など、就業差別となりかねないような質問には注意が必要です。

採用面接の質問について悩む企業は、この記事を参考にしてみて下さい。